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51話 国を統べる者

若き王は激怒した。

若いながらも才気に満ち野心溢れる王は、家臣を集め

新ドルイドとの戦争の詳細を聞いていた。


「なぜ、新ドルイド如き小国に我が10万の兵が負けねばならぬ!」

「陛下。それは……。」

「言い訳などいらぬ。我が欲しいのは結果のみ。ここに作戦立案を行った者を呼んでまいれ。」


黒いマントに、色白で顔立ちが整った男が呼ばれた。

男は王に呼ばれても臆する事なく堂々と膝をつく。


「アルノートここに参りました。」

「わかっておろうな。」

「この度の我が国の敗北の原因は、情報部があの7人の転生者らしき者の情報を見逃した点にあります。」

「ほう。ならば情報部を統括するバルト卿には責任を取って貰おう。」

「しかし、貴様にも責任の一端はあるぞ。」

「陛下。挽回の機会が頂けるのであれば、よい策があります。」

「ほう。申してみよ。」

「あの7人を我が陣営に取り込むのです。」

「できるのか?」

「時間があれば可能かと。」

「…………。良かろう。やってみよ。」

「はっ。」


アルノートはゆっくりと下がり臣下の列に並んだ


アルノート男爵、彼は古き時代からやってきた転生者であった。

彼の職業は誰も知らない。彼はスキルなどを使わず

その明晰な頭脳のみで軍の参謀長にまで登り詰めた人物である。

その手腕は、研ぎ澄まされたナイフのように冷たく鋭い。冷徹非情な手段を用いる事が多い。

王はこの人物を気に入り重用している。

それは実力主義のこの国に於いて当然である。

 

アルノートが配下になってから領土は20%以上広がり、

人口は2000万以上増加、国内総人口は1億2000万人となっていた。


しかし、人口増加に伴い、食糧や鉱物などが必要となる。

今回の新ドルイドとの戦争は、ダンジョンにある無尽蔵の食糧と鉱物が狙いだった。

アルノートは新ドルイド国の戦略級魔法を撃たせるためにわざと罪人や病人を集め軍団を作り送りこんだ。

この策により、新ドルイド国は魔法を撃つことになる。

これにより新ドルイド側の魔法の抑止力はなくなりルーン王国に本格的に攻め込まれる事になったのだった。

 

ただ、アルノートが誤算だったのは転生者達の成長が予想よりも早かった事である。

転生者が戦略級魔法のような戦況を変える強さを得るためには通常十年程は要する。

それがたった一ヵ月でその力を手に入れた転生者達がいたのだ。

誰が想像できたであろうか。

 

アルノートは、そんな異常な転生者達を取り込むべく

策を講じる。



一方で狙われている事を知らない流星は、みんなに見えないように鼻をほじっていた。

 

かくしてアルノートは流星に、

流星は自分の鼻に、

次なる一手を打とうとするのだった。

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