30話 イブとの戦い①
『魔闘気操作』を色々教えてもらったが、やはり体力の消費が激しい。模倣なしの状態だとHPが少なくて使えない。
模倣しながら使うので、mpが先になくなり3分程度で何もできなくなる。
うーむ、時間の壁は厚い。瞬発力だけならパーティーの中で1番だけど、持久戦になると全然戦力にならない。
それにしても、イブはかなり強い。闇精霊相手で相性がいいとはいえ、動きも速いしスタミナもすごいある。
阿部と浩介の中間くらいのステータスに、『魔闘気』を使うので弱点もすくない。
それにしてもこのパーティー殴るやつ多くないか?
まあ、いいや。
気づけばもう89階層でボスだよ。
あれ、闇精霊がボスかと思ったら闇属性のドラゴンが出てきたよ。黒い鱗に覆われて、3階建ての家くらいのでかさ。口からは闇のブレスが溢れてマスよ!
俺は思わず声が出ていた。
「うぉ。なんだか強そうだな。」
「大丈夫ですわ。久々に本気を出しますので皆様下がっていただけますか?」
その言葉が終わると、イブは魔闘気を覆い竜の近くまで
間合いを詰めた。
イブが竜の腹を殴ると血が飛び散った。
「アハハ、血ですわ。血!」
次々と拳を打ち込み竜が苦しそうにしている。
なんか、竜がかわいそうだな。
イブなんか豹変してない?!
「ほらほら、もっと足掻きなさい!」
と竜の腕を片手でちぎってる。
いやいや、まてまて。先程までの大人しい
イブさんどこいった?
今、竜が泣いてた気がするけど?!
ドカドカッ ミシミシ
イブさん、血見てからステータス上がってない?
鑑定してみると。ステータス三倍になってるよ。
竜は血塗れで、もう息をしていない。
それでもイブは殴り続けていた。
ドカドカ、バキバキ
拳が止まると俺の方をゆっくり向いた。
嫌な予感がする。
なんか、目が赤くてハァハァ言ってますよ!
絶対なんかやばいスキル使いマシタヨネ!
「あ〜ん、足らないわ。もっと、もっとちょうだい。そうだ流星様、竜で満足できなかった分満足させて。」
とセクシーな声で襲ってきた。
おいおい、人格変わってるじゃん!
やっぱり、魔王の子だよこの子。
俺を守ろうとした阿部は軽く吹き飛んだ。
やばいよ。やばいよ。(汗
「あたし、あなたがお父様と戦っている姿をみてずっとウズウズしてたの。もう、おかしくなりそうだったの。ね、だからいいでしょ。」
『ね』じゃねー!
普通なら喜びそうな言葉だけど、今は嬉しくない。
なんか殺す勢いで殴ってきてるよ!
ガハッ
腹にきつい一撃をもらった。
クソ。
腹に穴が空いてる、、
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