ペンギン三兄弟 〜 50話 あったかくて冷たいクリスマス
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
クリスマスの前の前の日、
チャンの部屋のFAXに1枚のメッセージが届きました。
『トナカイのトナヒコの家が、雪で埋まって出られなくなった。助けにきて! サンタより』
チャン「これはたいへん!」
ドン「トナカイがいないとサンタさんがプレゼントを運べないよ」
ゴン「よし、助けに行こう!」
チャンとドンとゴンは、さっそく電車に飛び乗り、トナカイのトナヒコの家がある雪国へ向かいました。
長いトンネルを抜けて着いたそこは、大雪で360度真っ白な風景が広がっていました。
チャン「寒いね〜、さすが雪国」
ドン「最近あったかい家の中にばかりいたから、寒さにはめっきり弱くなっちゃったな」
ゴン「オレたちはペンギンだからすぐに慣れるさ」
そして3羽は、雪に埋まったトナヒコの家の前にやってきました。
チャン「おーい、トナヒコいるかあ?」
ドン「すぐ雪をどかすから待っててね」
ゴン「よーし、雪かきはじめ〜!」
ゴンは自慢の筋肉を活かして、大きなスコップをすばやく動かし、ドアの前の雪をかき分けていきます。
チャンは大きな顔を活かして、ゴンの投げた雪をフェイスディングでさらに遠くへ飛ばします。
ドンは、自慢の勘の良さを活かして、でたらめに進むゴンの腰を持って、ドアの方向へ導きます。
やがて、3羽の懸命の雪かきのおかげで、トナヒコの家のドアが雪の中から現れました。
トナヒコがドアを開けて出てきました。
トナヒコ「あー、助かったー!チャン、ドン、ゴン、どうもありがとう。お礼に、カキ氷作っておきました」
ゴン「おお、たくさん動いたから、ちょうどのどが渇いてたんだ、ありがとう、いただきまーす」
チャン「おれも、いただきまーす」
ゴン「ぼくも、いただきまーす」
3羽は冷たいカキ氷をパクパクと食べました。
お腹の中がひんやりと冷たくなりました。
それから、トナヒコの引くソリに乗って、3羽はサンタクロースの元へやってきました。
サンタ「君たちのおかげで、トナヒコのソリがイブの夜に間に合ったよ。本当に助かったよ、ありがとう」
サンタクロースは、3羽にお礼にと大きなプレゼントの箱をくれました。
トナヒコのソリで空を飛び、家まで送ってもらった3羽は、寒さにプルプル震えながら家に帰ってきました。
チャン「ああ、やっぱり家のこたつがあったかい」
ドン「雪国もいいけど、こたつもいいね」
ゴン「疲れた体にはこたつがいいや」
3羽は、冷え切った体をこたつで温めました。
チャン「ねえサンタさんのプレゼントあけてみようよ」
ドン「なんだろね、楽しみ」
ゴン「ゴジラかな?」
3羽は、サンタクロースがくれた大きな箱を開けてみました。
すると、
ひんやりと冷えたアイスのクリスマスケーキが出てきました。
チャン「おお、冷たそうなケーキ」
ドン「おお、キレイなケーキ」
ゴン「おお、美味しそうなケーキ」
3羽は、あったかいこたつにくるまって、冷たくておいしいクリスマスケーキを食べました。
そしてお腹がまたひんやりと冷たくなりましたとさ。
おわり
読んでいただいた心優しいみなさま
どうもありがとうございました。
おかげで最終話までたどり着けました。
この1年間みんな大変でしたね。
来年は良い年になりますように。