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家庭菜園部で行こう!!  作者: ゼリー
本編
97/214

こどもにしかみえない 2



 その後、ミステリー部の鳥居学と森野泉が、司馬未来と土屋咲の集めた情報を引き継ぎ、

聞き込み調査を続けた。

 そのデータを分析すると、


 一年生に見える人が一番多く。

 二年生が二番目。

 三年生でも見える人はいるが一番少なかった。


 その中でも三年生では部活に入ってない人がほとんどだった。


 元々見えない人はそこまでは多くなく、

途中でいつの間にか見えなくなっていたという回答が多かった。


「泉ちゃーん、今までの調査から何かわかる~?」

「いえ、ちょっとまだ…。

というより、アンケート内容が見えるか見えないかだけでは足りていないかもしれません」

「もうちょっと内容を増やさないとってことか」

「ええ。ですけれど、闇雲に質問を増やしても互いに手間や無駄な情報が増えるだけなので、

答えをイメージした上で質問内容を決めていった方がいいかもしれませんね」

「なるほどね~。答えか~、つまり何で見えるかってことだろ?

一年生がよく見えるわけだから、小ささとか若さとかかな?」

「大まかにはそれで良さそうですね。

ではその小ささや若さの基準は何だろうかということですが、

単純に目に見えるものではないのかもしれません。

身長でしたら、アンケートを取った人でも結果とつながりませんし、

そもそも途中で見えなくなる理由もまたわからないですね」

「年齢でもそうだなー、結局一律じゃないしなー。

だとするとなんだ?精神的なもんか?」

「確かに、見えない人は自立と言いますか、

大人っぽい人が多いですね!」

「おおっそうかも!」

「そしたら聞く内容は、ここをこうで、こうして」

「うんうん、それで行こう!」


 二人は聞き込みを再開した。

 同じ人に聞きこんだりもしたが、案外皆興味あるらしく、快く受け入れてくれることが多かった。

もちろんめんどくさそうな人間もいたが、ごく少数であった。




「結構アンケートあつまりましたね」

「それこそもうちょっと頑張れば全員分集められるんじゃないかなー?」


 ある程度データは集まったが、

知る全ての人から集められたともなれば、その結論は“予測”ではなく、

“解答”となりえるかもしれない。


 まぁ全員に聞くのは無理だとしても、多ければ多いに越したことはない。

 そんなわけで水神にそろそろ報告しようと思っていた泉だったが、

学の意見を聞き、もう二、三日頑張ってみようという気になったのであった。



 - - - - -



 さらに分析を進めると、

兄弟などで年長者が見えないものが多く、

下の方だと見える人が多かった。



 ただ、話を聞いているうちに疑問もわいた。

 自分達が思う条件的には自立をしているはずなのだが、見えている人もいたり、

また、逆の人間もいる。


 精神的に自立というのは違うのだろうか?

 100%ではなくとも限りなく近いところまではいっていると思うのだが、

まだ見落としがあるか、もしくは他の条件があるのか…。



 しかし、聞き込みをしているうちに、妙なうわさ話が立つようになった。

 例の童の置物(?)の目が動くようになったとか、

(実際に司馬未来は目が動いた!とか言っていた)

夜な夜な人を食べるだとか、まことしやかに囁かれている。

 また、途中で見えなくなった人もいることから、

人に化けてこの学園で生活し、人間を襲うなんて話や、

更にはその人間と知らず知らずのうちに入れ替わる。なんて話も聞いた。


 そんなこと無いのだと知っている自分達からすれば、

たわいのないうわさ話で、馬鹿馬鹿しいと思わなくもないのだが、

そのことについて水神に呼び出された。


「おい、今の状況は理解しているか?」

「今回の件は私の失態です。すみませんでした」

「え?どういうこと?俺全然わかってないんだけれども」

「あのな、今回のお前達の調査で大勢の人間が改めてその存在を意識することになっているんだ。

普段ならなにか“ある”程度だったものが、一体なんだろうこれは?とな。

そして途中から見えなくなった人間には、アレはいったい何だったのだろうと。

そうなると人は想像を働かせ始めるだろう。

そういったことを人に話し、面白おかしく語られたものが広まることによって、存在が再認識される」

「えっと、つまり…?」

「つまりは最初に懸念していた危険性が現れるということなんです。

有名な妖怪なんかは、目的なんかが広く知られているので、

“そういう”対処をすればよいのですが、

そうではないモノの場合は、知っている人の認識がその妖怪なんかの行動を決めると言っても過言ではありません。

つまりこの学園に通っている人たちが決定権を持ってしまうのです」

「そうだ。わかったか?」

「わかった。多数決ってことか?」


 真には理解してないだろうが、まぁ的外れというわけではない。


「ま、まぁそうだな」

「で、どうすればいいんだ?」

「ちょっとは自分で考えろと言いたいところだが、下手すると時間がないからな。

結論から言うとお前らが、より信憑性があって、面白く、安全な噂を流せ。以上だ」

「は?水神先輩よぅ、あんたの方が頭がいいんだから何とかしろよ~」

「いや、お前のような能天気なやつの方がこういうのは得意だろう。俺はやることがある」

「確かに、面白くということに限っては、学君の方が適しているかもしれませんね」

「そうだろう」


 水神は学の肩に手を置き。


「これはお前にしかできない仕事だ、頼んだぞ」


 そう言葉をかけると鳥居学がプルプルと震えだし、そして、


「うおーーー、俺に掛かれば余裕だぜ!いっちょやったるかぁ!」


 その声と表情からメラメラと闘志が燃え上がっているのがわかる。

それに反し水神は冷静である。


「ちょろい奴だ」

「そんなこと言ったらだめですよっ」


「そういえば、見える見えないの結論は出たのか?」

「あ、えっと、まだ確信はないのですが、

おそらく大人であること。でもそれは自分自身の考えや行動に対して評価するものではなく、

他者からの評価によるもの、です」

「なるほどな。じゃあそれも使えるんじゃないか?」

「どういうことだ?」

「まぁ高校生ともなれば、子供っぽいと言われるより、大人だなと言われる方が嬉しいだろ?」

「たしかに」

「人は信じたいものを信じるからな、そういったポジティブなものなら受け入れやすいんじゃないか?」

「なるほど。下手に安心安全だよと謳うよりも、本人たちが望むような解答を与えられれば良いのですね」

「まぁ俺は最初から見えないからわからないが、案外お前らの方が言葉選びもうまくいくかもしれないな」

「それって大人の余裕ですか?」

「お前はたまに突っ込み激しいな」


「なあなあ、ちょっと俺の思いついた意見聞いてくれよ!」


 鳥居がこうこうこういう風でこうだからと、意見を述べた。


「お前、バカだと思ってたが、たまにはやるじゃないか」

「バカは余計だよ」

「まぁまぁ、それでいきましょう」





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