プリンを食べたのは誰だ! 6
プリン 未来 ○ → 泉 ○ → 霧島+咲 ○ → 小倉 × → 拓 ×
○×は部室に来た時にプリンがあったかどうかである
拓 「まぁ誰がどう考えても、ここの霧島たちと小倉の間になくなったっていうことは間違いないんだが」
霧島「やっぱりこの間に第三者が入ってきたか、杏が食べたってことなんじゃないのか?」
小倉「だ~か~ら、やってないってば」
拓 「第三者だとしたら、見つけようがないんだよな・・・ん?」
未来「もう間とって咲ちゃんでいいですって」
咲 「いやいやそれはだからひどすぎますって」
泉 「困りましたねぇ」
拓が何やら考え込んでいる。※
拓 「・・・」
拓 「なぁ小倉、ちょっと話変わるんだが、俺にお釣り返すのと、未来にミントをもらいに来るの
今日じゃないとダメだったのか??」
小倉「え、そんなことないよ?どうせまた明日学校で会うし、ミントもあればそれはそれでいいけど、
なかったからっていって、他の人たち怒ったりしないし」
未来「ミントが役立たずみたいじゃないですか、プンスカ」
小倉「そんなんでこんなのに巻き込まれちゃったから、明日にすればよかったよ、ほんとに…」
拓 「ふ~ん、なぁ霧島、なんでわざわざ俺を喫茶店部に誘いに来たんだ??」
霧島「ん?ああ・・・それはだな」
咲 「先生に呼び出しくらって拓先輩だけ行かせたのを気にしてるんですよ」
霧島「ばらしてるんじゃねぇ!」
咲 「こういうところが可愛くてもう、ああ、痛い痛い!やめてください!」
拓 「・・・」
(なんてこった・・・)
拓 「な、なぁ」
未来「??」
拓 「もうそろそろ犯人探しとかやめないか?」
未来「それは私にプリンをあきらめろと…?」
拓 「そうじゃねぇよ、ほ、ほらもう時間もおせえし、それになんだかんだで他のやつが食べたかもしれない可能性もあるだろ?
そうだ、みんなでこいつに飯でもおごってやらないか?」
咲 「あ、それはいい案ですね!」
霧島「仕方ねぇなぁ」
小倉「そういうことならサービスしてあげるよ!」
泉 「未来ちゃん…」
未来「・・・」
拓 「なくなったものは返ってこないしな」
未来「・・・怪しい」
拓 「え、な、なにがだ?」
未来「拓先輩がそんな気の利いたこと言うなんて」
拓 「バカ野郎、俺はいつでもサービス全開だよ」
未来「なにか隠してるんじゃないですか?」
拓 「(ギク)何も隠してねえって」
未来「そうですね、たとえば・・・」
未来は全員を一周見渡して、そして一人を指差した。
未来「泉ちゃんが食べちゃったのだとか」
泉 「え、私ですか!?」
拓 「なな、何を根拠にそんなことを!」
未来「ずいぶん挙動不審ですね~」
小倉「いやいや、森野君が挙動不審なのはいつものことさ!」
霧島「否定はしないわ」
咲 「うんうん」
拓 「そこは否定しろや!」
霧島「まぁ、とりあえず森野の妹は食べれるチャンスないんじゃなかったっけ?」
未来「それは仮に、全員の言っている話を全て鵜呑みにした場合ですね。
そうだなぁ、例えば…、最初来た時にプリンを発見する。
一度部室を出るが、どんどん気になってくる。霧島先輩と咲ちゃんがここを出た時を見計らって侵入し、
プリンを食べる。
あとは素知らぬ顔をして、霧島先輩と咲ちゃんの前に一度部室を訪れたと発言する。
嘘は言ってないですよね?」
泉 「でも、あくまでそれは推理ですよね?
証拠はどうですか?」
未来「犯人はみんなそう言うんですよ!」
咲 「被害者もみんなそう言うよ、未来ちゃん!」
未来「えーと、胃の中を見れば一発ですよ!」
咲 「胃カメラとか?」
拓 「それができるのなら今までの時間がそもそもいらないな」
小倉「確かに」
咲 「どうでもいいけど内臓みられるの裸みられるより恥ずかしくないですか?」
霧島「限りなくどうでもいいな」
小倉「私は裸を見られる方が恥ずかしいかも」
未来「証拠は無いかもしれませんが、状況証拠は揃ってるんですからね!
今日ここにもう一度どうしても来なければならなかったのは泉ちゃんだけなんですよ!」
拓 「つーかさ、今までの時間はいったい何だったんだよ!
横道それまくってる無駄な時間があるなら、最初からその推理力だしとけや!」
未来「黙ってください。…わかっているんですかね拓先輩?今や泉ちゃんの命運は私の掌一つでどうとでもなるんですよ、
ひいてはその家族である拓先輩も同様ですからね」
拓 「くっ」
未来「さぁ、何とか言うんですよ、この泥棒猫め!」
小倉「泥棒猫って…」
泉 「フフフ、よくぞ分かったな明智君!食べたのは私こと怪人一面相である」
咲 「それ、本人だけじゃん!」
未来「何の恨みでこんなことをしたんだ!怪人一面相!」
小倉「乗っかるんだ!?」
泉 「くっくっく、恨みなどない!ただ面白そうだった。その一点よ」
霧島「そのために私たちは振り回されたのか?」
未来「そうだ!この落とし前はどうつけてくれる!」
拓 「待て!これは家族である俺の責任でもある。責めるなら俺にしろ!」
その言葉を聞き、未来は拓の頭からつま先まで視線を移動する
未来「・・・いや、先輩じゃ大してお金にもならないですし」
霧島「・・・何をする気なんだ」
未来「泉ちゃんならいくらでもお金をかけそうなやつが身近にいるもんで」
咲 「・・・ああ」
咲ちゃんはピンと来たようだ。
泉 「そんな人いるんですか!?」
鳥居よ、哀れなり。
未来「さぁさぁ、最後に言いたいことはありますか!?」
未来がそう言うと、
泉「ふ、ふふふ」
場の空気が変わる。
何をやりだすのか、皆が泉の挙動に注目する。
まさか、よく怪人がやりそうなバルーンに乗って屋上から去っていくのをやるのだろうか。
少しその光景を見たい気がしないでもないが、しかしここは家庭菜園部のプレハブ内だ!
バルーンを膨らませたら天井にパツンパツンになってしまう。
しかも全員この学園の生徒であるから、たとえそのように去ったとしても明日から気まずいだけである。
泉 「ふふふふ・・・じゃん!」
森野泉が何かを取り出して扇子のように広げた。
拓 「ん?・・・なになに、不死屋、プリン引き換え・・・プリン引き換え券だと!?」
小倉「しかもどうしたのこの枚数は!?」
泉 「へへ、・・・これでみんなでプリンを食べに行きましょう。
勝手にプリンを食べたのは悪かったとは思いますが、何の意味もなくただ人のものを食べたりなんかしませんよー」
拓 「お、おお!そうだよな、ほら未来、食べたかったんだろ?早速行くぞ」
未来「ぶー」
拓 「何ふてくされてるんだ」
未来「確かに、人のもの勝手に食べたりする娘じゃあないので最初は容疑者から外してましたよ。
でも、犯人じゃないかと気づいた時に、私の探偵欲とあとこの兄妹を好き勝手出来ると思ったら楽しくなってきたところだったのに…」
小倉「探偵欲って、そんな欲求あったっけ」
未来「世界四大欲求の一つですね」
咲 「無いから!」
拓 「お前、何する気だったんだよ!!」
霧島「しかしどうしてこんなに大量に持ってるんだ?一つ手に入れるだけでも大変だったんだろ?」
咲 「確かに」
泉 「なんか、人助けしたらお礼にと親切な方にもらいました。あ、でも偽物じゃないことは確認済みですよ?
お店に行ったらちゃんと使えますよ~って言われて、じゃあその枚数分取り置きしておきますねーって」
未来「もう仕方ないですねぇ。ほら、早くいきましょう」
小倉「あ、私喫茶店部に戻らなきゃ・・・」
未来「おつかれさまで~す」
小倉「ちょっとひどくない!?関係ないのに拘束されて、関係ないとわかったらポイっと放られるとか」
拓 「もとはと言えば金額間違えたのが原因だろ」
小倉「そ、そうだけれど!」
泉 「ちゃんと小倉先輩の分ももらって帰ってきますから、安心してください」
小倉「泉ちゃんいい子だ、他の人たちは知らん、はよいけ!シッシッ」
皆の笑い声。
おしまい
- - - - -
※拓の頭の中。
もし、仮に霧島たちと小倉の間に部室に来た者がいたとしてだ、
その人物が、左利きの者が部室に来たことを知っていて
あえてそちらへスプーンを置くとする。
もし右に置いたとしても、複数人数部室に来れば容疑を分散させることはできるが
たとえば誰かに迷惑を及ぼしたくないなどの理由がある場合。
玉ねぎの場合だとしたら霧島に迷惑かけたくないとかだな。
そして、あいつら二人組の場合だと、お互いでお互いを見張っているから
一人じゃ犯行を起こせないが、共犯だとしたら、外部に犯人がいると言った方が都合がいいわけだ
しかし、犯行のアリバイにお互いをあげている。バカだからっていう可能性もあるが…
小倉が犯人の場合を考えてみると、二人が出て行くところを見、そして犯行に及び
玉ねぎのやつがいたことを確認し、左に置く。右に置かなかったのは
押し付けるためであり、他意はない。
で、そこへたまたま俺が来たためにもとの用事を済ます。
だが解せないのは、来たときに本を読んでいたこと。犯行を済ましたとしたら
一刻も早く部室から去って知らんふりしたくなるのが常だと思う。
お金返してこいと喫茶店部の部長に例え言われていたとしても、ちょうどいなかったから明日返してくるとか
ミントもメインの具材でもないから、一日位なくても問題はないだろう。
そうなると、たとえば
泉…。
部室に来て、プリンを発見し、未来が帰ってこないか外に出たところ
二人が来たため、いったん外で待機し、いなくなって周りをうかがい、食べ、左にスプーンを置く、
右に置いてもよかったが、そうだな、俺に被害が及ばないようにするためだとか・・・。
そう考えればつじつまは合うかもしれない・・・だが。
解せないのが、自分がここに一度来て、そのすぐ後に梨菜子のやつと玉ねぎが来たと証言したことだな。
本当に食べたのなら、先ほど初めて来たと言う方がバレにくいだろう。
つまり、ただただ純粋な返答であるか。もしくはだ、そう証言せざるを得なかったのかだ。
普段人通りが少ない中庭だ、自分が見たということは、相手からも見られている可能性がある。
そうなると仕方なく自分が一度来ていること、
新聞部の二人がそのあと来たと言わざるを得なかったこと。
たまたまじゃれ合っていたためか、あの二人は泉が来ていたことに気付かなかったようだが…
拓はこんなことを※の時に考えていた。
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小倉「ところで未来ちゃん、あのプリン買うのにどのくらい並んだの?」
未来「えと、夜中からなので8時間とか9時間とかくらいですかね?」
小倉「えっっ、そんなに前から!?」
未来「ですです。さすがに自分が一番でしたけれど、皆朝早くから並んでいましたから、
さすがに開店直前にきても買えなかったですねぇ」
小倉「すごいなぁ…」
とても中学時代じゃ考えられないなぁと思った未来であった。
というのも運動部で朝練とかやっていたこともあって、
早寝早起きが身についていて、今みたいに普段から深夜まで活動するなんて思っても見なかった。
健康優良児だったのにどうしてこんなことに…。
最早、漆黒の闇に染まってしまったのである。
闇に染まった自分からすれば、深夜に店に並ぶなどの悪行など他愛もないことである。
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未来「そういえば泉ちゃんはどうして咲ちゃんが左利きなのを知っていたんですかね?」
拓 (確かに今回のメンバー内ではそこまで関わり合いなさそうに見えるな)
泉 「結構有名だと思いますよ?」
未来「あの見た目以外に有名な点があるとは…ライバル出現か?」
拓 「何のライバルだよ!なんの!」
泉 「ほら、忘れちゃいましたか?球技大会の!」
未来「ああ!・・・なんだっけ?」
拓 「おい、お前同じクラスだろうに。決勝まで行ったならそれなりに目立って覚えてるやつもいるんじゃないか?
まぁお前はおそらく、最後に顔面に当たって保健室に運ばれたやつって覚えられてるだろうがな」
未来「そんな記憶なくなってしまえ!」
泉 「ふふふ」




