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家庭菜園部で行こう!!  作者: ゼリー
導入
46/211

46 ミステリー部仮入部終わり、そして



「三日間お疲れだったな」


 森からミステリー部の部室まで四人は戻ってきた。


「いえいえ、中々貴重な体験をさせてもらいました!さすがに夜の森の中で影踏みは疲れましたが…」

「ははっ、まぁそうだよな」

「笑い事じゃないわ!こっちは命掛かってたんじゃい」

「そうですよね。そう思うと一人の時じゃなくてよかったように思いますね」


 鳥居は気楽すぎて腹が立つが、泉の方は真剣に考えすぎてそれはそれでどう返そうかとも思ってしまう。今回のことは結果として助かったのだから、気軽に考えてくれれば良いと思う。

 そうだなぁ、二人を足して二で割ったらちょうどいいだろうか。だが決して二人とも嫌いとかではなく、むしろ好きな部類ではあると思う。


「まぁアレだ、ミステリー部の体験は今日で終わりだが、

この学園にいればもしかしたらまた変わった体験をするかもしれない。

その時に困ったことがあれば頼ってくれれば良いと思うし、

無害であってもこちらのデータ収集の一つとして報告してくれたら嬉しい。

とくに司馬と鳥居は同じクラスということだから、気軽に雑談の一つとしてやってくれればというところだな。ま、これも縁というやつだ」

「自分も遠慮なく何かあれば聞きに来るようにします!…さすがに命の危機に差し迫った場合は来る余裕がないかもしれませんが」

「そんな状況がごろごろしてたら困るけどなー」

「言っておくがさっきの影法師のような妖怪が出る件は稀だからな?

まぁ万が一にも自分一人で解決しなければならない状況になったならだが、

どういう理由でそこにいるのか、または在るのか、どういう解決方法があるのか、証拠を集め、推理する。

そう考えるとよく使われている意味でのミステリと言えないこともないかもな。

ま、この考え方はほぼ学問と行っても差し支えないかもしれない。そうやって考えを組み立てていくといい」

「なるほど、つまるところ様々なことの根本はそこに行きつくのですかね」

「多分な」


 未来は話を聞いていてちょっと頭がよくなった気がした。

でも部活動はそうでもないけど、授業だと眠くなるのは何でなのだろうかと思う未来なのであった。




 ミステリー部の活動が終わり、各自解散した後、

部室を出てふと中庭を見ると、家庭菜園部の部室の明かりがうっすらと着いているのが見えた。

 結構もう遅い時間なんだけどなぁ。まぁ森野は何だかんだでいつもフラフラしているので、まだ校内に残っていると言われても不思議ではないように思う。


 せっかくだからミステリー部での活動をその足で報告しに行こうと思い、未来は中庭にある家庭菜園部の部室に向かった。



 ミステリー部は部活のテーマとしては奇抜ではあるが、今まで仮入部した中で一番部活らしい部活だと感じた。というか他の部が部活というか仕事みたいだから何とも比較しづらい。

 だが、最終的には選ばないといけないことを考えると・・・



 考えているうちに家庭菜園部にたどり着いたので、元気よく扉をあける


「たのもー!!」


 夜のプレハブ内。

扉は開いたが森野はおらず、

だが、見慣れぬものが部室にあった。未来にはある意味見慣れたものであるが…。


「・・・くまの、きぐるみ?」


 何故ここにあるのだろうか…。


 ミステリー部の経験を元に思考をまとめる。


 今まで動いているところしか見ていなかったが、

今はパーツとしての着ぐるみが置いてあると判別できる状態だ。

つまり、この学園独自の怪異などではなく、

普通に皆が知るところの着ぐるみであるということか。


そしてそれがここに置いてある状況を考えると、


「つまりこれは、森野先輩の仕業であったと?」


 そう考えると腑に落ちる部分もある。


 例えば着ぐるみと追いかけっこをした時も、

よくよく考えれば、この家庭菜園部の部室のプレハブであった。


 分からないのは何の為かというところだが…

それはさすがに聞いてみないとわからない。

 だが、活動しているかしていないか分からない家庭菜園部。

 部員募集もしていない。

 謎の着ぐるみ。

 夜まで居残っている部員。


 いくつかのピースがどこかで一つに繋がりそうな気がするが、

いまいち閃かない。


 その時であった


「・・・見てしまったな」


 突然背後に現れた人の気配に未来は振り返ろうとするが。


 首元に衝撃を受け倒れてしまった。

そして視界が暗くなり、意識を手放した。




「・・・い」


「・・・おい」


 ・・・ん


 ピシャ


 何かほっぺたに冷たい感触が


「おい、起きろ」


 ぼやーっとした視界が、徐々にはっきりしてくる。

それと同時に


 バシャー!



水を頭から浴びせかけられた。

一気に脳が覚醒する。


「起きたか」


 声のした方を向く


「森野っ!」

「呼び捨てか!」

「なんてことをするんだっ!む」


 ふと窮屈さを感じて自分の身体を見ると、椅子に縄で縛りつけられている。


「なんだコレは!・・・まさか、蟹漁船に売る気かっ!」

「お前みたいなチビじゃ蟹の餌にもなりゃしないんじゃないか」


 精一杯の虚勢も森野は一蹴する。

 これから何をされるのだろうか、4月とはいえまだ夜はそこそこ寒い。

この濡れぞうきんで縛られたまま外に放り出されでもしたら、凍死こそしないとは思うが寒さに震えて夜を過ごすことになるだろう。

あったかい布団とは天と地の差ほどもある。それはなんとしても避けたい。

 この状況を何とか打破しなくてはと思うが、

頭もまだズキズキするし、服もぬれて気持ち悪いわ、肌寒いわで考えがまとまらない。


 そんな中、森野が一歩近づく。


「ひっ、く、来るな!」


 そして近くにあった机を手の平でバン!と叩く。

 未来はビクッとなる。


「いいか、今から話すことは秘密だ。そしてそれを破ったら痛い目を見るからな。

これは忠告なんかじゃない、警告だ」


 一方的に話されて一方的に周囲に漏らすなとか、非道の極みではないか?


「家庭菜園部はな、野菜を育ててのほほんと楽しむような部活じゃねぇ」


 それは森野を見ていれば誰しもが思うことだが、ではなんだというのだろうか。


「じゃあなんだ!」


「家庭菜園部はな、

『校長の命により何か非常事態があれば速やかに出動し事態を解決せよ!』という特命を受けた部活なんだ!」


 未来は脳を揺さぶられたかのような衝撃を受ける。


「信じねぇかもしれないが、幽霊とか、あと時には強盗とかも倒さなきゃいけねぇし、生徒同士のいざこざにも対処しなきゃならねぇ。そんなことだから昼も夜も気を張ってなきゃならねぇ、つまり女子供に務まる仕事じゃねぇんだよ。ほら、わかったら部に入るのは諦め…」


 森野がそこまで言いかけた時、未来の異変に気がついた。

未来から湯気が出ているように見える。先ほどの水が蒸発しているのだろうか。


「…せんぱい」

「な、なんだ…?」


 未来の得体のしれない雰囲気に森野は気圧される。


「せんぱい!やっぱり私の目に狂いはなかったです!そういう正義のヒーローみたいな存在に私はなりたい!」

「いや、そんなかっこいいもんじゃ…」

「はっ…強盗っていうとこないだの、階段で転んで気絶したとか言うのも…、クマ…なるほどクマか!やっぱりあれも森野先輩の仕業だったんですね!」

「お…おぅ」


 興奮気味の未来に森野は少し戸惑っていた。


「この部こそ私が入るべき部だと言うことが分かりました!お願いします!入部させてください!」


 おそらく土下座をしようとしたと思うのだが、椅子に体ごと縛られている状態では頭しか下げられなかったようだ。


「ふんっ!」


 マンガとかならムキムキになって縛り付けているひもを引きちぎっているところだが、実際はそんなことできていないので、ただの痙攣している人である。


「大体、私の子供の頃は日曜日の朝の番組だって、女の子向けのパステルカラーのアニメじゃなく、戦隊モノや仮面のヒーローのアクションのテレビ見て憧れていたんですから!これはもう運命と言っても良いものですよ!」

「お前の子供の頃なんて知るか!プリっとしたキュアでも見てろ!

とりあえずお前は今日のところは家に帰って一度頭冷やせ!」

「馬鹿ですか!あんたが水ぶっかけて頭どころか全身冷やしたでしょう!

これじゃ明日風邪ひいてむしろ熱が出るじゃないですか!」

「馬鹿は風邪ひかないから大丈夫だ!」


 そうして不毛な口論をした後に未来は家に帰らされた。

びしょ濡れの未来は、仕事帰りのサラリーマンなどに奇異の目で見られるのが苦痛であった。いつかこの恨みを返そうと心に決めた。



ぜんぜん導入部分完結しなかった…。

一月中くらいには…

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