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家庭菜園部で行こう!!  作者: ゼリー
導入
39/210

39 生徒会からの誘い


最後は木工部か、今日ちょっと覗いただけだったけれど、他の部とは雰囲気が違かったなぁ。なんか慌ただしくないというか。

 ファイルを開くと、先の3つの部活と違って数字よりも文字が並んでいるのが目に入る。

 〇月×日 〇〇の自宅の収納箱の製作。寸法は自宅の納まりから。デザインに製作上、無理がある部分があったので、作り方のアドバイスをして一度持って帰らせることに。

 〇月△日 理科室の箱椅子が四脚、壊れかかっていたので修理する。

 〇月□日 〇〇の収納箱の製作。図面はok出したので、これから取り掛かる。材料の機械の木取りは空いた時間にこちらで用意し、機械加工の先は本人に任せることにする。以後のこの製作物の報告も本人に書かせる。


 お金のこととか書いてないけれど、この感じだと材料費とかも部持ちなのかな?

どこかにそういう金銭的なこと書いてあるところはないだろうか。


 ×月×日 △△が一枚板のテーブルが欲しいと言ってきたが却下する。理由は予算オーバーの為。


 なるほど。うろ覚えだが一枚板のテーブルってなんかすごい高かった気がする。

 今日の椅子の納品みたいに他の部とかのからみはないのかな?


 =月〇日 裁縫部からの注文のちゃぶ台が完成、納品する。


 あのちゃぶ台の産地は木工部だったのか!?

予算とかはどうなっているんだろうか?ページを遡ってみると


 裁縫部から注文のちゃぶ台。材料の種類や、一枚板等にはこだわらないということなので、木工部にある端材で対応する。部員の練習も兼ねているので金銭の授受は無しとする。


 ふむふむ、校内では積極的に商売する感じではないのか。仮にあったとしてもこの感じだと材料の原価をそのままもらうという具合なのかな。

 他にはと、


 文化祭で木工品の販売


 箸が15

 理科室の箱椅子が4

 弁当箱が3

 抽斗が1

 以上が売れる。作った本人に売り上げは渡す。

 実践的な機会が得られて皆良い経験になったと思う。


 これくらいか、購買部にも何か置いたりしたら売れたりするのだろうか。

とそこまで考えたところで、思い直す。

 いやいや、むしろこれが部活としては本来普通ではないのだろうか。

でも、正直お金も稼ぎたい気持ちもあるしなぁ。ううむ。


 と、その辺りで別の席にいた生徒会の副会長と会計さんも話が一通り落ち着いたらしく、空気ものんびりしていたので話しかけた。



 活動報告書をみさせてもらったお礼を副会長にすると、


「いや、これは各部が努力した証明の文書のようなもので、自分はただ番をしているだけだ」


 それでも管理してくれてるからこそ、こういう形となって何もわからない自分が見ることができたというようなことも言うと、嬉しそうに、フッ、と笑っていた。

 そして、お金の流れから色んなことが分かったということも話す。(自分で発見したことを誰かに言いたかった)


「そういえば、仮入部で部活巡りをしている新入生がいると聞いたのですが、それは貴女ですか?」


 会計さんがそう自分に問いかけてきた。

 どこでそんな話を聞いたのだろうか?喫茶店部の焔先輩と購買部のホタル先輩が昨日話していたとか言っていたので、誰かがそれを耳にしたのかもしれない。


「ふむ、そうだ君は生徒会に興味はないか?」


 むむ、これは予想外の誘いが副会長からきたぞ。仮入部?というか部活と同類なのかはわからないが。


「良かったらなんだが、試しに入部…入会か、してみないか」

「・・・せっかくのお誘いなんですが、少なくとも今はやめておきます」

「そうか、残念だ」

「うまく説明できないのですが、組織全体を回すような仕事よりも、プレイヤーでいいたいというか…」

「なるほど、理解した」

「もったいないですね、お金の流れから色々分かると理解しているだけでも戦力になりそうですけれど」


 そう言ってきたのは会計さんだ。


「と言いますと?」

「ええ、例えば部費の使用に関してなんですが、この学園では各部にある程度自由な裁量が与えられています。しかし個人で自由に使っていいわけでは無いですから、

私物を買ったり、不当に多い金額を給料として支払ったり。そう言ったものは、取り締まる必要があります」

「それを生徒会が行っているということですかね」

「そうですね。ただ、給料が多いか妥当かは実際に見てみないとわかりませんから、査察や聞き取り等して整合性を確かめます。そうなるとそういった判断をできる人が必要となってくるわけですね」


 くわっ

 会計さんの細目が片方見開いた


「一年生にプレッシャーを掛けてどうする」

「あ、・・・すみません」

「大丈夫です大丈夫です、むしろ色々聞けて良かったです」


 助かった、ああいう断りづらい雰囲気は苦手だ。副会長さんはそれを察して口をはさんでくれたのかもしれない。




-----



 未来は再び屋上にやってきた。

ちょうど夕日で空が真っ赤に染まる時間帯だ。


 今日はどの部活の活動もしなかったが、色々と密度の濃い一日であったなと思う。

喫茶店部でこれからのこととか考えても良いが、

知り合いがいるとどうしても話をしたりしてしまうので、一人で色々整理するにはこういう場所が良い。


 そういえば、最近バタバタしていたので思い出すこともなかったが、ふと、あのクマの着ぐるみと出くわさないなぁと思った。もちろん出くわしたくなんてないのだが。

 つまり普通に活動していれば、まず出会うことも無いという事なのか?知っている人もいないし…。

そう考えると仮入部を始める以前の自分はその『普通』から外れた存在であったと言えるのかもしれない。

まぁだから何だ?という事だし、そう考えたところで何かあるわけでもないが…。

 そうそう、あとは校長だな、めっきり校長のことを考えることも少なくなった気がするなぁ。

代わりにというわけでもないけれど、生徒会、特に副会長の名前(実際の名前は知らないけれど)をよく耳にするようになった。表立って学校を管理というか回しているのが生徒会なんだろう。

 そう考えるとさっきの誘いを断ったのは惜しかっただろうか?

例えば生徒会に入って、職権乱用し、家庭菜園部を廃部にすると脅して、やめてくれと懇願する森野を見下ろす。そんな想像をしたらちょっと楽しい。実際にはやらないが。断っちゃったし。


「さー、今日はさっさと帰って明日へ向けて早く寝るとしますか!」


 そう口に出して屋上からでていった。


未来が去った後

屋上のさらに一段上

給水タンクがおいてある場所

そこからヒョイっとクマが顔を出した

あの着ぐるみのクマである



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