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家庭菜園部で行こう!!  作者: ゼリー
導入
26/211

26 フライング焼きそばパン



 購買部仮入部三日目。


 もう三日目ともなると配達業務も手慣れたもので、自転車で猛ダッシュで走りながらも辺りを気にする余裕が出てくる。

 普段通らない道などに入り、知らない店などを見かけて今度行ってみようと思ったりもできるようになった。

 ただ気になったのが、昨日よりどうも休み時間中の配達の行動距離が伸びてないか?

 もしかしたら、昨日の様子を見てもっと行けるもっと行ける、って思われたんじゃ?

先輩方は一年生の時の最後の方にはもっと余裕で回れるようになってたのかな?ある意味期待されてるのかもしれないなら、応えねば。今日で仮入部終わりだけども。


 今日は昼休みも購買部のコンビニを任された。

昨日パンと飲み物を買ったから分かっていたが、それなりに混んでいる。

「こ、これどこでご飯食べればいいんでしょう…」


 やはり授業中に食べるべきだったか?と思った未来はそう質問を投げかけた。


「大丈夫大丈夫、途中で落ち着くからそのタイミングで交代で食べよう」


 衣笠さんにそう言ってなだめられた。この状況でも落ち着いてレジを済ませているのを見ると慣れっこに違いない。

 途中で落ち着くのか。・・・なるほど、喫茶店部とは違って売ればそのお客さんは終了だから手間自体はそれほど多くはないのか。


 その言葉の通りに


「だいぶ落ち着いてきましたね、と言うか売れ行きが変わった?」

「そうだね、お昼のご飯が一通り売れ終わると、授業の買い物とかが多くなる感じだよ」


 客の立場で考えれば確かに分かる話だ。


「じゃあそろそろ交代でご飯食べようか、先にいいよ」

「ありがとうございます!」


「そういえば子供のころは、お昼休みの購買といいますと本当に混んでいて、

これが最後の焼きそばパンだよ!取ったもん勝ちだ、えいっ、とかおばちゃんがやって、それを腹をすかせた男子学生がもみくちゃで取り合うみたいなイメージがありましたが、さすがにそんな感じではないですねぇ」

「ん…それなんかマンガかなんかで見たことがあるかも?

まー食堂も喫茶店部もあるし、良い感じに分散されるんじゃないかな

食堂へ行くお客を取ろうと思ったら、本気で良いお弁当を仕入れたりとかもしなきゃならないだろうし、それはそれで廃棄の問題も出てくるから難しいんだよね。結局持たせることを考えるとパンとかおにぎりに落ち着いちゃう」


 なるほど、廃棄か…、飲食店にはつきものなんだろうなぁ。

そういえば喫茶店部では余った食べ物をごみ袋に入れて捨てるとか、あんまり見かけなかったけれど、どうしていたんだろうか。

もしかしたらこちらが気にしそうだからって、こっそり捨てていたのだろうか。


「ああ、一応部員になれば賞味期限が過ぎた飲食物は持ち帰っても良いってことになっているよ。でもやっぱりその分売り上げが落ちてしまうので、ギリギリのところを狙って仕入れはするんだけどね!」


 その日暮らしの食う寝るに困ったら、購買部に入ることにしよう。

心に決めた未来であった。




-----




 そうして放課後になり、

今日も再び制服の試着に挑む。

なんと、自分で立候補したのである。


 今まで先輩方と話して得た接客の精神を踏まえ、

相手が何を望んでいるのか、そうしたものをイメージして接客に当たった。



「はーーーーっやりきったーーーー!」

「いやー、頑張ってたね~、今日は鬼気迫るものがあったよ」


 昨日、今日と面倒を見てくれていた衣笠先輩がそう言ってくれた。


「へへ」

「しいて一つだけ言うなら、それが外まで出ていたかな。

一生懸命やるんだけど、それを外に出しちゃうと場合によってはお客さんが落ち着けない時もあるからね。あくまで外は穏やかに、が良かな」

「自分もまだまだですねぇ」

「いやいや、一年生にしては優秀優秀。

さて司馬さん、三日間お疲れ様。少ないけどコレ」


 と言って封筒を渡された。おもむろに中を見てみると。

 なんとお金である!


「えっ!?もらえるんですか!!」

「うん、ちゃんと働いて稼いでくれたからね」


 そういえば小倉先輩が、部活でお金ももらえるみたいなことを言っていたような…、


「でも、仮入部期間中に貰ったことは黙っていてね」

「まさか賄賂になってしまうとかですか?」

「いやいや、う~んなんていうかな。新入生の働きっぷりって人によって差がありすぎるからさ、年齢的にバイトもしたことない子がほとんどだろうし、部活に対する姿勢も相当違うしね」


 確かに、この前まで中学生だったもんなぁ。


「その働き如何によってお給料を渡せられない子もいるから、下手に広めてほしくないってわけ」


 なるほどそういうことか。

 

 給料。今までもらったことのあるお小遣いともお年玉とも違う響きだ。

 自分の手で稼いだお金、そう思うと重みが違うように感じる。

 何に使おうか、それとも初めての記念に大切にとっておこうか。でも少しくらいなら贅沢してもいいだろう。


「ああ、司馬さんならその点安心できそうだから、購買部に本入部した暁には時給で決まった金額を働いた分だけ渡せると思う」


 なんだか認められたようで気持ちが嬉しくなった。


 まぁみんなに言ってるんだと思うけどね!


「あ、これも言っとかないとだ、ちなみに部員だけじゃなく、お金ほしいときとか、臨時のアルバイトも募集してるから他の部に入ったとしても気軽に言ってね。ぶっちゃけ人が足りないんで」


 喫茶店部と同様に切羽詰まってらっしゃる…。




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