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家庭菜園部で行こう!!  作者: ゼリー
導入
18/210

18 焦げたハンバーグは焦げをとって、あとでハンバーガーにして食べました


 喫茶店部仮入部、三日目。


「私思うんですよ。喫茶店部の人たちは学校に授業を受けに来ているんじゃなくて、部活をしにきているんだと…」


 昼休みのピークを終え、皿洗いをしつつ小倉にそう言った。


「そうかも(笑)」

「勉強とかどうしてるんですか?」

「おもにカンニングとかかな!」


 ニヤニヤしている、これはきっと嘘だろう。


「森野先輩にテストを見せてもらったりだとか?」

「いや、森野君に見せてもらったら今よりひどくなるから…」


 カンニングと言う言葉に乗ってみたら、真顔でそう訴えられた。

森野先輩…この部活馬鹿の小倉先輩よりも勉強できないって…。


「なんだろう、結構授業中寝てる時が多いかな。夜更かしさんなのかもね」

「ほぇ~」

「未来ちゃんは?勉強の方はどう?」

「私ですか?」

「うんうん」

「えと、情けないことにあまり頭がいいわけではないので…」

「そうかあ、あ、でも仕事覚えは結構いいよね!」

「そうですか?」

「うん~、まだ三日目なのに今日のピークは結構動けてたしさっ」

「小倉先輩に比べればまだまだですよ~」

「ううん~、これはなかなかの逸材だぞって思ったもん!」

「そうかなぁ…へへ」


 今日は小倉と接客を担当した。今までの仕事のできなさに悔しい思いをしていた自分は、

昨日の夜、寝る前にイメージトレーニングをしていた。

 中学の高跳びの大会前とかも、理想の動きを頭の中でイメージすると、当日なかなかいい記録とか出たものである。

 今日もそれが功を奏したのか、ところどころつまりながらだったが、最初のころに比べるとスムーズに仕事を回せたような気がする。なんと注文まで何回か取れたのだ!

 完全に満足した…とはとても言い難いが、自分に及第点はあげたいところである。

 もちろん小倉は自分の倍以上は動いていたので、まだまだ足りていないのは分かっているが。



 -----



 そして放課後、


「未来ちゃん」


 厨房で調理をしていると小倉が話しかけてきた。


「はい、なんでしょ~」

「これあげる~」


 なんだろうか、ぺらぺらの名刺くらいのサイズの紙を受け取る。


「!?」

「一生懸命頑張ってくれたからさ、なんだろう、お礼?」

「せんぱい…」

「バイト代…と言うには安いんだけどさ、また暇な時にでもそれ持って遊びに来てよ。昼休みはちょっとかまってあげられないけどね!」


 この先輩は食事無料券を3枚もくれたのであった。


「あ、それ2名まで有効だから、なんだろ、無事に家庭菜園部に入れたら森野君と一緒にでも来たらいいよ!」

「・・・短い間ですが、お世話になった上に、こんないいものまでいただいて…ううっ」


 目頭が熱くなってきた。


「おおっ、泣くのか、やーいやーい」

「ちがうもん!これは花粉症で」

「スギ花粉の時期は終わったよ!」

「もう小倉先輩のばかー」


 後ろを向いて泣いてるところを見せないようにする。この先輩との応対でいじられるから正直泣きたくは

ないのだが、出てくるものは抑えられないし、出だしたら止まらない。


 色んな事を教えてもらってこっちが感謝したいくらいですよ!


 きっと今はちゃんと言えないから口には出さないでおいた。

赤くはらした目で小倉に振り返った時には、先ほど調理途中だったハンバーグは焦げていた。

 お客さんには出せそうもないので、新しいのを焼きなおした。

途中で話しかけちゃった自分が悪かったねと小倉は謝った。


 その後はしっかりと仕事をやり遂げた、つもりだ。…相変わらず飲み物には手を出させてくれなかったけども。

 終わった後、お礼を言うと小倉が頭をなでてくれた。

 ほんとは子供扱いされてるようで、身長の低い未来は撫でられるのがあまり好きではないが、今撫でられていることは嬉しいことな気がして、されるがままになっていた。

 たった三日間ではあったが、終わってしまうとなんだか切ない。

 朝から晩まで授業と部活とで、家に帰るときには肉体的にも精神的にも疲れていたが、充実したと胸を張っていえる日々だった。



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