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滅んだ世界より愛を込めて(旧版)  作者: よねり
第二章 本当のディストピア
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「あの人は魔物とつながりがあったんだ」

 パトカーに乗り込むと、少年が言った。

「そんなはずないわ。だって・・・・・・そんなつながりがあるはずが無い」

「彼女は以前結婚していたようだが、今は独身。それに、君たちが観覧車でトラブルに巻き込まれた日、監視カメラに魔物らしき子供と一緒に歩く姿が映っている」

 キツネ目の刑事がパトカーの窓から顔をのぞかせた。

「そんな・・・・・・だって、何かの間違いよ」

 少女は震えていた。少年がそっと彼女の手を包む。

「まあ、どういう関係なのかはこれから調べる。これまで、君の行く先にやつが現れていたのも、彼女が教えていたからだろう。彼女の家に、やつが身を隠していた形跡がある。言い逃れはできまいよ」

 刑事が眼鏡を押し上げ、近くにいた刑事に何事か叫んだ。

 少女の手の震えが止まると、少年はパトカーから降りた。

「一緒に帰らないの?」

「僕はまだやることがあるから」

 少年は困ったような顔でそう言った。

 パトカーが動き出す。検問を越えたとき、後ろで大きな音がした。

「止めて! 戻る!」

 少女は泣き叫んだが、運転手は車を止めなかった。少女は座席に顔を埋めた。

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