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超時空の決闘者ー俺はフリーター兼パイロットー  作者: 星瀧 彗慧
崩壊した世界
1/1

崩壊する日常

拝啓、

ぼくの町が、滅びました

拝啓、

早春の風薫る今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか。

私はこの春より、大学を除籍され晴れてフリーターとなりました。

お陰さまで彼女に振られ、先輩方からドやされ、先生から御説教というなの訓辞を頂戴しました。













「こんなので出だしはいいかな」

俺は、本日からフリーターだ。

紹介がまだか、俺の名は神無月 晦。

まぁ、晦叉はミソッカスって友達からは言われてた。

季節の変わり目に何やってるのだ、と諸君は思うだろう。

簡単な話だ、旧き良き友人知人に手紙を書いているのだ。

大学を辞めたという内容の(泣)。

そもそも何故こんなことになったのか、理由は簡単だ。






俺の実家は元々貧乏だったくせに、俺が無理行って行かせてもらったのと大学を出れば高収入のIT企業に就職間違いなし!!という殺し文句に乗ったのが行けなかった。

さらに、俺はバイトを月に10行くか行かないかの不良店員で、遊びに遊んだことで親から勘当。

挙げ句のはてに学費を払えずそのまま除籍となったのだ、あと一年なのにな。

とりあえず、俺は部屋の引き払いと残りの貯金残高を確認して今は最寄りの本屋の無料休憩所にて、本を読みつつ手紙を書いているところだ。

元々こういう文章書きはそれなりに得意だった、まぁ内容に関してはデタラメなのが多いが。






時間は既に18:00を回っており、さっさと帰ってこいと先程から母からの電話とラインが煩い。

この春、3つ下の妹が都心へ進学。

逆に兄はプータローになって田舎に戻れば、親戚一同からはいい笑い者だろう。

「しゃーねーよなぁ」

本当に洒落にならない話である。


とりあえず、手紙や筆記用具を鞄に放り込み、駐輪所にて待つママチャリの元へ向かう。

既に日は暮れ、夜のカーテンが町を覆っていた。

そして、その夜のカーテンを横切るように一機の戦闘機が轟音とともに駆け抜ける。

「【EEP】か」

EEP―EXTRA EARTH PEOPLE、【余剰地球生命体】もしくは【余人】【溢れ者】。

はたまた地球外生命体と人は言う、専門家の中には地球上で最古の人類とか言う人もいる。

どうだかしらんが。

ことの発端は、我らが祖国の大友人でもある某国家の大統領選挙で立候補した女性のある公約から。


「私が大統領に選ばれたなら、私は、地球上に住む人類と同等の知識・文明、そして感情をもつ生命体を受け入れたいと思っています!!」


この発言が、衛生を伝って世界に響いたもんだから某国家に対して海外勢はただじゃおけない訳がない。

元々秘密が多い国家だったもんだから、世界中の国と言う国、はたまた企業がスパイやら斥候やら何やらを送り込んだのは間違いないだろう。

しかし、そうは問屋が卸さなかった。

というのも、その情報が流れて一時間後には某国家行きの定期便が一斉にキャンセルになったからだ。

さらに、現地に住む人々はその日の内に一斉国外退去。

例外は大使館や領事館に勤める人々くらいだろうが、その人たちとも連絡が寸断。

国外退去となった人々から流れた情報によると、

ー鬼気迫る表情の軍人たちが、銃を向けてきた。

ー家から必要な荷物だけをもって出てけと言われた。

ー出身国と自らの名が掲載されたリストと照らし合わされた。

等々。

確信めいた情報は出てこず、そのまま某国家は鎖国状態に陥った。





それから2週間、某国家が動き出す。

某国家の大統領選挙は、立候補した2名ではなく、第3者の人物が大統領を襲名したのだ。

その人物は、世界に向けてこう発信した。

「我々はこれより、新たなる世界の扉を開こうとしています。しかし世界の皆さん、恐れることはありません。何故なら、その扉を解放したとき、我々は祝福されるからです。そう、新たなる知識、そして文明を受け入れた今日その時、今、我々は祝福されるのです!!」

その放送が流れた直後だった、その大統領が演説していたその場所は一瞬にして爆炎に包まれたのだ。

そして瞬く間に、世界にそれは牙を剥いた。





それから1か月にも及ぶ戦いの中、某国家があったその場所で、各国の兵士は何を見たのだろう。

それは、その場にいたものにしかわからない。

唯一戦場にいない者が分かっているのは、その国家があった場所は未だに戦場であること。

戦いはまだ終わっていないこと。

そこで戦う兵士は確実に何かと戦い、そして命を懸けているということ。










そんな訳のわからない奴等を、ある軍事評論家がこう言った。

EEP、正式名称【EXTRA EARTH PEOPLE】、【余剰地球生命体】もしくは【余人】【溢れ者】、

と。

「よくわからんな」

でもそれは遠い彼の地で起きていること、大海原を隔てたここではあまり関係の無いことだった。

そう関係ないはず。










「なんで」

なんでなんだ、俺が何かしたか?

俺の眼前に広がるのは、火の海原とかした街。

俺の知る街の灯りどころじゃなかった、なんせ其処は、地獄絵図のような情景だったから。

「ははっ、嘘だろ、冗談だろ?」

追先ほどまで車の灯が飛び交い、家々には暖かな光が溢れていた。

もう、我が家は目の前だった。

自転車を小屋にいれ、玄関をくぐれば家族が居る団欒だった。

しかし、突如街に降り注いだ光が、俺の頭を横切ったそれが全てを壊していく。

それは絶え間なく続き、轟音とともに家は、ビルは、道路は破壊されていく。

それが奴らの攻撃だと知るのは数分もかからなかった、なんせその正体が頭を横切るんだから。


EEP(溢れ者)、いやもしかしたら奴らの乗る戦闘機かもしれなかった。

それが低空飛行で頭上を飛んでいく、そのすぐあとを追うように空自の戦闘機が翔る。

「なんで」

攻撃は止まない、

「理不尽だろ」

戦は終わらない、

「もう、いいだろ?」

爆発の度に破片は空を舞い、それらは容赦なしに非難する人々を襲う。

貫かれ、焼かれ、潰され。

それでもなお、空の戦いは終わらなかった。

「いい加減にしろよ」

涙が止まらない

「これ以上、何を壊せば気が済むんだよォオオおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」








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