何もしていないけれど
ホントは、こんなコト望んでいたわけじゃなかった。皆が私のことも見つけてくれる何ていう、本当ならあり得ない事。だっておかしいと思わない?自分から話しかけた訳でもないのに周りに人が集まって来るなんて。
何もかもに統一性が無い、十人十色な個性溢れる彼等彼女等。それなのに、誰もが笑っている。
私の周りで。
だから、いつも思うのだ。そして問う。
「私、何かしたっけ?」
キミは、いつもどうりの無表情でこう答える。
「何もしないから、だろ」
私の、ただ一人の愛しいキミ。私は、キミにさえ何もしなかった。何もしなかったから、何も起こらないと思っていた。
なのにキミは、当たり前のように私に寄り添ってくれる。私がキミに抱く感情と同じものを、はっきりと示してくれる。
キミにしても、皆にしても、随分物好きなんだなあ、なんて。そう思い始めたのは、結構最近だったりする。