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全てのきっかけ

 東京へ戻って約二ヶ月後の、六月上旬の木曜日。職場で午後三時からの休憩中、派遣会社の担当の人に呼ばれた。なーんか嫌な予感がする。


「実はですね、ここの職場、今月一杯で終わる事になりました」

 淡々と早口で言われた。

 こんな中途半端な時期に?

 やっと職場が落ち着いたかと思えば、こんな結果……すんなり「はい分かりました」と言える心境ではない。


 担当の人の話によると、折からの不況で会社自体も資金難に陥り、約六十人いる製造部の派遣社員の内、四十人が解雇されるのだという。

「ですから残った有給、全部使っちゃってください。それとこの書類、今週末までに書いて渡してください」

 呆気に取られ、ほとんど頷く事しかできないまま、担当の人は席を立ち他の人に解雇を告げに行く。


 なーんて事務的なんだろう。一々感情移入していたら仕事ができない点もあるだろうけど、人は組織に入ると人格がなくなったりする。人間の恐ろしい一面だ。

 また振り出しか……新たに職を探さなければいけなくなり、その日、うちに帰る前に本屋に立ち寄って求人雑誌を買った。


 夕食や入浴を終え、ゆっくりしながら雑誌を捲っていると、聞いた事のない芸能事務所の事務職の求人が載っていた。グラビアアイドルをマネジメントしているらしい。場所は六本木。勤務時間は午前十時から午後七時までで週休二日制。時給は千二百円。


 事務的で嫌な思いをしたばかり。まして事務はやった事がない。けど、何か気に留まったからページに折り目を付けて、その日は就寝した。


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