円満家族
翌日――
『ガラガラガラ!! ガシャンッ!! ガシャンッ!!!』
午後二時過ぎ、自分の部屋でファッション雑誌を読んでいると、外から尋常ではない物音がした。
「ねえ、今の何の音!?」
隣の部屋にいた武弥も部屋から出て来た。
「分かんないけどうちの敷地からだよね?」
二人で庭に出てみると、政孝と亮子が呆然と立ち尽くしている。離れた所で繋がれているランも気になるらしく、こちらを窺っていた。
「何があったの?」
政孝が目で「見てみろ」と合図した。下を見ると、庭のブロックが自壊し、下に建つ家の敷地内に大量に飛散している。義理の叔父の「補修した方が良い」というアドバイスが虚しい……。
為す術もなく全員が立ち尽くす中、
「フフフフフッ・・・・・・」
こんな状況で亮子が笑い出した。
「バカ! 何がおかしいんだ?」
そう言って妻を注意する政孝も半笑いだ。
「フフフッ……ハハハハッ!」
伝染したように私と武弥も笑い出し、気付くと家族全員が笑っていた。
「ちょっと三田居さん! 何なのこれ!?」
下段の家の奥さんが顔を出し、惨状を見て驚愕している。丁重に謝るべきところで、
「ごめんなさいねえ。フフフフッ・・・・・・」
亮子は尚も笑っている。
「済みません……ハハハッ」
政孝も同様。
「笑ってる場合じゃないでしょうよ!」
奥さんがツッコミを入れるが、家族はお構いなし。
家族で笑い合うのは十年ぶりくらい。それがこんな事態でというのも、何ともうちらしい――




