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曾お爺ちゃんへ
翌日十一月十二日(土)から二日間、原宿の表参道ヒルズで、バッグと靴の有名ブランドが集まったイベントが開催された。勿論、顔は終始笑顔にしていたけれど、心は葬儀にも出ない事から来る近市への謝罪の念と、今までの感謝の気持ちで一杯だった。
そしてこのイベントが、私にとって四年間の芸能生活の集大成となる。
翌週の火曜日から、私は人生初の正社員生活が始まる。
最後のイベントから一夜明けた月曜日の朝。武弥から、
『お葬式が終わって火葬場に行く途中、紅葉がすっごくきれいだったよ。心の中でひいおじいちゃんに、「山々が鮮やかに色付いてるよ。見える?」って話しかけた。たぶん、おじいちゃんも見惚れてたんじゃないかな』
とメールが入った。
昼間、一日休みをもらっていたので外に出た。自宅近くの公園に入り、上を見上げると、もみじやいちょうが赤と黄色に色付き、陽光に照らされ更に鮮やかに見えた。
曾お爺ちゃん、東京の紅葉も綺麗だよ……。
この葉っぱ達も、あと少しで散ってしまう。色付く葉は散る、残る葉も、散る運命……。死別は悲しい。でも悲しがっている人にだって、いずれ死は訪れるのだ。
ぼんやりと考えながらベンチに座り、しばらく見惚れた。




