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結婚世代
十月中旬の火曜日。仕事から帰ってポストを開けると、小・中・高校と同じだった中田有里から、結婚式の招待状が届いていた。
八月に久しぶりに電話が掛かって来て、
『私、十一月に結婚するの』
と報告された。
「本当!? おめでとう!」
相手は二つ下の公務員と言っていた。
私ももう二十八歳。同級生の中には男女関係なく、子供がいる人も増え始めている。電話で祝福していた時も、招待状を目の前にしても、物思いに沈む。私、今のままで良いのかなあ?……。
自分の可能性を試そうとグラドルデビューを決意した事は、以前、政孝に言われた「向上心を持て」につながると思う。でも、スマに言われた「誇りを持ちなさい」は、二年経っても持てないままだった。
グラドルがどうこうではなく、私の心根の問題だ。私にとってグラドルは、誇りを持てる職業ではなかったんだ。そう思うんだったら、いつまでも続けていても自分にとってプラスにならないし、誇りを持ってやっている周りの子達に失礼だ。
私は、そろそろターニングポイントの時期に来ていた。
翌日、出勤途中に不参加に丸をした招待状を、ポストに投函した。今の私は、人の幸せを祝福する気持ちには、正直なれなかった。




