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彼氏じゃなくてセフレ

 武弥と再会して一年近く経った六月下旬の水曜日。事務所に出勤すると、血相を変えた村田に写真付きのプリントを渡された。

「これ読んでみろ!」


 見出しは『激撮!! 新鋭若手作家の密会現場 相手は本誌グラビアを飾ったグラドル』とある。当時の私のグラビアと一緒に、シオとレストランで夕食を食べながら談笑している場面と、ホテルへ入って行く場面が掲載されていた。


「今週の『SATURDAY』に載るんだってさ。さっきファックスされて来た。神谷君とそんな関係だったんだ?」

 『SATURDAY』……再登場がこんな形とは……。

「自分が売り出し中の身である事、忘れてないよね?」

「忘れてはないですけど、神谷君と私は独身なんですよ? 何か問題あるんですか?」

「あのなあ・・・・・・」

 村田は渋い顔になった。


「恋愛禁止なら禁止って、最初から言っといてくださいよ!」

 完全に開き直り、半ばキレ気味に言った。そうでもしなければ収まりが付かない。

「もう良いよ・・・・・・」

 村田は閉口した。案の定!


 でもシオの方が気になったので、昼休みに電話を入れた。

「オレも(編集)担当者から『大事な時期なんだから困りますよ』って注意されたよ」

「やっぱりね。それで何て返したの?」

「お互い独身だし恋愛くらいするでしょ? って言ったら渋々黙った」

「ハハハッ! 同じだ」


「オレ、近々引っ越すんだけど、今度からオレんちに来ないか?」

「え!? 良いの?」

「ホテルには行き辛くなったし、オレは構わないよ」

 彼の言葉に甘え、以後、私達は文京区本郷のシオのマンションで会うようになった。これから記者やパパラッチに集られるのかと不安だったけど、一回素っ破抜かれたっきりで、取材すら来なかった。


「一回載せて飽きちゃったんじゃねえの?」

 シオは強がってはいたけど、表情は安心していた。


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