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初仕事

 七月上旬の日曜日、いよいよ撮影が始まった。ホテルの一室やスタジオ内で、朝から夜に掛けて行なわれる。


「下着の跡は付けないで」と村田に忠告されたので、前日からロングのワンピースにノーパン、胸はニップレスで過ごした。

 本番前日の夜、既に動悸は早く、気が立って眠れない。結局、七時間ベッドに横になって十分くらいうとうとしただけで、起きる時間を迎えた。後数時間で本番。でも今となっては緊張感はほとんど感じず、寝付けなかった事が却って良い効果となって、夢見心地のまま撮影現場へ向かう。


 が、現場に近付くと昨夜の夜に逆戻り。胸は後ろから締め付けられるような圧迫感。口内は瞬時に渇きべたつく。

「かなり緊張してるね。もっとリラックスしなよ」

 女性メイクさんが破顔して声を掛ける。「はい」とは返したけど、セミとはいえヌードがカメラに収められるのだから、緊張するなっていう方が無理なんじゃないか? でも時間は待ってはくれない。


 メイクさんにナチュラル目にメイクを施してもらい、スタイリストさんが医療用のベージュのテープを、私のアンダーバストにテーピングして行く。これはバストアップの技巧で、テーピングされた上からブラを着けると、窮屈な感じはあるけど、普段よりも数倍深い谷間ができた。


「西田咲良入りまーす!」

 松下マネージャーが声高に告げると、

「はい、宜しく!」

 男性監督が同じトーンで返した。

 カメラマンや監督に指示されるがまま、スーツ姿などから脱いで行き、同じようなポーズや仕草を繰り返す。


 スタッフの人達は慣れているだろうけど、人前でブラとTバックだけの姿は、やっぱり恥ずかしかったんだけど……。

「じゃあTバック、ちょっとずつ下ろしてみようか?」

 監督が言った。手が竦み、ガタガタ震えるのかと思いきや、さっきまでの恥ずかしさが嘘のように、自然と下ろす事ができる。やっている内に気持ちが吹っ切れたのだろう、「撮るんなら綺麗に撮ってよね!」と勝ち気な想いが涌いて来た。表情も柔らかくなっているんじゃないかな。


 その気持ちのまま、他のシーンでは、泡風呂に入って胸や局部を泡で隠したり、カジュアルな服装で街を歩いたりもした。


 予算上、当然全て国内で済ませ、三日間で撮影は終わった。発売されるのは八月中旬だそうだ。


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