転職フリーター
翌土曜日の夜に、村田社長から合格の電話が入った。事務経験もないし、正直不利と思っていたけれど、自然体が良かったのだろうか。
月曜日から、私はアルバイト事務員として働く事になった。運良く、食いっぱぐれにならなくて済んだ訳だ。
派遣の職場は有給を使い、派遣会社には、頼まれた書類はロッカーに入れておいたので、勝手に取ってくれと報告した。それと、残った日にちは、新しく仕事が決まったのでもう行かないとも、淡々と早口で申し上げた。
「・・・・・・そうですか」
スタッフは渋々了承してくれた。
事務をやってみて分かった事。まあマネージャー達が書類の期日を守らない。月末までに請求書を郵送したくても、添付する書類が揃っていない。なーんて事は毎月。時間も不規則で出張も多いから仕方ないのかもしれないけど。
それと、電話や来客応対はメディア関係者から一般人まで幅広い。一般人からは、オーディションやイベントの問い合わせがほとんど。
でも、これも働き出して分かった事だけど、うちはAV女優もマネジメントする事務所だから、セクハラめいた電話……だけならともかく、直接やって来る輩もいる。
そんな奴らを上手くかわす、五年先輩の榎本知花は唯唯凄いと思う。
榎本はそれだけじゃなくて、相手が年上だろうと、書類の期日を守らないマネージャーなどには、チクリと嫌味を言って応戦する。
榎本曰く、多少ふてぶてしさを持っていた方が長続きするのだとか。




