星屑に願いをひとつ
七夕をひきずって宇宙ジャンル!
ある星には、かつて多くの生物が住んでいた。
しかし、知的生命体は残された星の寿命が短いことに気づいてしまった。
その日から、生物は他の星へと移動を始めた。
知的生命体だけでなく、生命体の食料や、そのまた食料に至るまで。
いつの間にか地表にはなにもいなくなった。
星は思った。
「もっと長く生きられたらいいのにな」
けれど、その願いは叶わなかった。
数年後、その星は飛び散った。
それを遠くの星から見ていた知的生命体は「超新星爆発」と名付けた。
星の欠片はさまざまな方向に飛んでいった。
ある欠片は他の星にクレーターを作った。
ある欠片はスーパーマンに別の方向へと吹き飛ばされた。
そのなかのある欠片が、ある星の大気に突入した。
その燃え尽きる様子を見た生物は言った。
「宝くじに当たりますように」
星の欠片は思った。
「自分の願いが叶えられなかったのに、人の願いを叶えられるわけないだろ」
お読みいただきありがとうございました。
※超新星爆発でできた欠片が流星になることはほとんどありません