プロローグ ①②【登場人物】
ここは王立ストアール学園。
この学園は "貴族平民、学園内では、みな平等"の理念のもと、現国王発案で設立された学園だ。
親が決めた子の望まぬ政略結婚を否定し、恋愛結婚を推奨している。
そんな、通称恋愛学園に通うエレナ・クロニア男爵令嬢。
学園に入学して半年後、幼馴染の婚約者に婚約の破棄を宣言された。
けれど、それは入学前には婚約者の心変わりを全て知っていたエレナの計画の想定内の事だった。
エレナは何もせず情報を集めてただ待つだけで、勝手に相手が自滅した。ーー私は、何もしていません
婚約の契約破棄の件は、男爵家に利益をもたらし収束を迎えた。
そして、エレナは全てを丸く収めて、楽しいくも騒がしい学園生活を送っていた。
◆◇◆◇◆◇◆
穏やかに月日は過ぎて、一月。
クロニア男爵家では、自領で育てた作物を使って手広く商売をしている。
最近は、王都で庶民向けのスイーツ店をオープンした。
エレナは家業の手伝いとして、新作スイーツの試食をクラスメイトにお願いしていた。
そんな時、エレナは友人達との会話の中で、恋愛学園には恋を応援するイベントが足りないと考えた。
そこで、男爵家が経営する貴族向けのお店『バレンスイート』と、庶民向けのお店『タインスイート』合同で、少女達の恋を応援するイベントを企画した。
ーーその恋、私が応援いたしましょう
企画名『バレン・タイン』デイ
開催日 二月十四日
これは『バレン・タインデイ』 前後の物語である。
【登場人物】
エレナ・クロニア男爵令嬢(一年生)
・最近幼馴染の婚約者に婚約の契約を破棄された。
・入学前には全て知っていて、計画どおりの破棄だったので、今は気にしていない。
ディメオス・オルケリア伯爵令息(二年生)
・エレナの幼馴染、元婚約者。
・婚約していた事を忘れて、一年の時メリサと恋人になる。
・単純、素直、バカ。
メリサ・ルワルズ伯爵令嬢(二年生)
・ディメオスの恋人。
・知らずに婚約破棄のキッカケになってしまった。
・今ではエレナを敬愛している。
サージス・スワリエ侯爵令息(二年生)
・エレナとは子供の頃から面識あり。
・婚約者が居ると知らず、エレナに告白した事がある。
参考作品〜
☆私は、何もしていません
☆これは完全に予定外ですわ!
★その恋、私が応援いたしましょう 前編