表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年 12月
975/1001

プロの決断

 今、なんやかんやと言われてるSNSですが、毎日色んな話題が流れてきます。


 昨日、ある芸能人の話題から、


「少し違うけどそのことで探してたらこんなのが」

 

 と、全く知らない人からのが流れてきたんですが、サッカーつながりの話題だったので内容を見てみて、


「そうだったのか」


 と、ちょっと考えてしまいました。


 流れてきたのは今ヴィッセルの監督をしている吉田孝行氏が現役時代にアンケートに答えているページの写真でした。色々なチームを経験して当時は我がヴィッセルの選手だった時代です。ヴィッセルサポの方が古い選手名鑑を見ていて見つけたらしい。


「好きな選手は」

 

 との質問に、


「イニエスタ」


 と答えているのを見て、


「うわあ、これはきっついわー」


 と、思いました。


 イニエスタは言うまでもなく私が尊敬してやまないサッカー選手、バルセロナからヴィッセルに来て、昨年まで6年間在籍し、その後1年UAEのエミレーツで過ごした後、引退を表明しました。友人Rと「もう1年がんばって神戸で引退してほしかった」と嘆きましたが、まあしょうがない。


 その神戸をやめた一因がこの吉田監督にあるんじゃないかと言われたりしています。吉田さん、イニエスタを言い方が悪ければあれですが、「干した」ような感じだったんですよね。それでかなり吉田監督を嫌う人もいますし、正直私もあまりいい感じは持っていないかな。

 ただ、色々言われても結果としてJ2落ちギリギリだった神戸をなんとかJ1にふんばらせ、その翌年にはリーグ初優勝に導き、今年は天皇杯優勝、そして今もリーグ優勝争いをしていてチーム初の連覇に向けてがんばる位置に留めている。


 監督というのはチーム全体を考えて動かないといけない。それは分かっていたけど、やっぱりスター選手であるイニエスタを使わないというのは、なんだかなあと思っていました。そしてイニエスタの神戸でのラストプレイで途中降板させた時には、なんで最後まで出さないんだと思いました。


「最後ぐらい全部出してあげてもいいんじゃないか」


 みんなそう思ってたと思います。イニエスタがピッチから下がる時、スタッフとハイタッチして下がったのに監督のことはスルーする、そのぐらい関係が悪くなっていたようです。まあねえ、気持ちは分からんでもない。

 

 神戸は三木谷氏の、


「神戸をバルセロナ化したい」


 との意向でイニエスタやヴィジャやサンペールとうバルセロナの選手を投入したけど、結局バルサ化は日本のサッカーに合わなかったみたいで、天皇杯初優勝以外はなんかいまいちだったし、吉田監督の方針に変わってからどんと強くなったという感じです。それでも、イニエスタはじめ、海外の超有名選手と一緒にプレイして神戸の意識が変わったことが、間違いなく強くなった理由の一つと思っています。


 だから、吉田監督が現役時代にイニエスタを一番に上げるほど好きであったとしたら、個人としての好きという意識を封印して、プロとしての選択をしたということです。泣く泣く最推しを切って監督としてチームのためになる選択をした。その結果嫌われてスルーされる、なんか泣けますよ。


 ただ、私はこういうの嫌いじゃないんです。だってプロってかっこいじゃないですか! 自分の感情より冷静にもっともいい道を選ぶ。うん、プロってすごいな。


 ということで、なんとなくちょろっと吉田監督に対する気持ちが和らぎました。いや、いい成績出してくれてることでそれなりに評価はしてたんですが、イニエスタが去っていったと考えると、やっぱりもやもやとした気持ちはあったんです。だけど、あのラストプレーだって、1点先取されててあのままだったら負け試合でイニエスタを送り出すことになる。だから恨まれてもイニエスタを下げて点の取れる布陣にして、最低でも引き分けに持っていったのかなと、そんなことも考えたりしました。


 さて、そうまでして強くなった我がヴィッセル、いよいよ明日12月8日日曜日に最終試合を迎えます、正念場です。ここで勝って連覇してほしい、監督の気持ちに、そして神戸を強くしてくれたイニエスタたちの気持ちに応えてほしい。


 がんばれヴィッセル!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ