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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  2月
95/1001

めぇ

 テレビを見ていたら、その地方にしかない食べ物を探すというコーナーがありました。

 今までに数回やっているコーナーですが、今回出てきた名前にちょっと覚えがありました。


「めーぶ」


 文字で見た時は特に何も思わず見ていたんですが、ふと、思い出しました。


「そういや、子どもの頃、母が『めぇたこ』って言ってたな」


 と。


 発音的には「めぇ」です。前にアクセントがきて、後ろの「え」は小さく消える感じかな。


 上で思い出していたのは丁寧に書くと、


「めぇ、という食べ物を炊こう」


 という意味です。

 

 私の記憶の中では細長い海藻を炊いていたと思うのですが、何しろ子どもの頃は偏食、食べられない物のかたまりのような子でしたので、あまりよく覚えていない。多分、私がそこそこ大人になる頃にはもう炊いてなかったようにも思います。


「これ海藻じゃないかな」


 と、続きを見ていたら、テレビのコーナーに出てきたのは、


「めかぶ」


 でした。


 でも私の記憶の中のはちょっと違う、めかぶを刻んだ形ではなく、どちらかというとひじきのもう少し長いような感じがします。


 それで妹に電話したら、


「あったあった」


 と、記憶していました。


 そして私が思っていた通り、


「ひじきみたいな」


 とのことだったので、間違いないと思います。


 父もこの番組が好きで毎週見ていたので、今までだったら妹に電話したように父にかけるか、翌日実家に行って話をしていたでしょう。もしかしたら一緒に見ていた可能性もあります。

 母もこの番組が好きで毎週見ていたので、同じく聞いて、もしかしたら翌日炊いてもらったかも知れません。


 でも、どちらもいないのでどうすることもできません。

 こういうちょっとしたことを聞けない時、本当にさびしくなります。


 そうしたら友人も、


「小さい頃ひじきみたいなのをそう呼んでた気がする」


 とのことでした。


 友人も同じく神戸ですので、ほぼ間違いがなさそう。


 一応ネットでも調べてみたら、


「あらめ・わかめ」と「刻み昆布」の両方が出てきましたが、うちの場合は前者の「あらめ」とか「長ひじき」のようです。


 私が知るように普通に煮てたのか、それとも何か特別の味があったのかまでは分かりませんが、私が高校に入る年に当地に引っ越して以降は炊いていた記憶がありません。それもちょっと不思議ですが、もしかしたら近くで売っている店がなくなったのかも知れませんね。ほんのちょっと地域がずれるだけで買えない物もありますし。


 なんにしても、何年ぶりかで、


「めぇ」


 を思い出して、とても懐かしく思っています。

 

 合ってるかどうか分からないけど、あらめかひじきを炊いてみようかなあ。

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