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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年 11月
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世界一なのか?

 タイトルのキーワードがテレビから何回も流れてくるんですが、聞く度に、


「世界一なのか?」


 と、疑問に思ってしまいます。


 みなさんが喜んでるのに水を差すつもりはないんですが、ちょっと違うんじゃないのかなともやもやするもので、あえて書いてみようかなと思います。


 何を言ってるか分かる方も多いと思うんですが、アメリカの野球の全国大会で大谷選手が所属するドジャースが優勝したということです。その全国大会の名前が「ワールドシリーズ」なのは、まあ国内のことだし、多分一番野球をやってる人数が多いとか、野球発祥の国なので「うちが一番」という意味でつけてるのなら、それはそれでいいでしょう。それでも「アメリカ一じゃないのかな」とは思いますが。


 だけど、その大会で優勝したことを日本のテレビが「大谷選手が世界一に」と言うのには、どうにも違和感しか感じなくてもやもやするんです。


 さっき「野球発祥の国」と書いたんですが、書きながらそれすら「本当なのか?」と思ったので調べてみました。


 野球の起源はイギリスの「ラウンダーズ」と「クリケット」の両方の名前が出てきたんですが、とにかくイギリスで球を棒で叩く競技から始まったようです。それをアメリカに移民した人たちが楽しんでいたんですが、アレキサンダー・カートライトという人が今のベースになるルールを決めてから「野球」になっていったとか。


 つまり「野球発祥の国」というのは正しいです。じゃあ、その発祥の国でやった国内の大会で優勝したら、それは世界一なのかと考えたら、やっぱり違いますよね。そのルールでいくと日本発祥の柔道の国内大会で優勝したら、その人は世界一と名乗ってよくなるでしょう。相撲に関してはおそらく日本にしかないからそう名乗ってもいいかと思いますが、他の国にもあって世界大会がある競技なら、やっぱり「異議あり」と言われる気がします。


 そんなことを考えていたら、今のところ気がついたのは何の番組だったかも覚えていませんが、


「大谷選手が所属するドジャースがワールドシリーズで優勝をしました」

 

 と、正確に放送してたところがあり、


「それが本当だよな」


 と、思ってすっきりしました。


 何回も言いますが、楽しい話題に水を差すつもりは全くありません。何にしろ優勝するとかトップになるとかってのはすごいことだし、特に大谷選手はなんだかすごい記録を打ち立てたし、優勝にも大変貢献してMVPになるんじゃないかと言われてて(もしかしてもうなってるの?)、同じ日本人としてとってもうれしいし、すごいなあと素直に思います。

 

 ですが、日本のテレビ、もしかしたら新聞もかも知れませんが、そこが、


「大谷選手が世界一に!」


 と、言うのはなーんかちょっと違う気がする。

 

 野球は世界ではそこそこマイナーな競技でオリンピックの競技からもはずされましたが、次回のアメリカのオリンピックでは競技がありますし、他にも「ワールド・ベースボール・クラシック」というそれこそ海外の他の国も参加する世界大会があるんだから、それで優勝したら「世界一」で、その大会でMVPに選ばれて初めて「◯◯選手は世界一」なんじゃないのかなあ。


 何回も何回も言いますが、いいこと、すごいこと、楽しいこと、うれしいことという気持ちは変わりません。ただ、そういう報道の仕方になんとなく良い感じを持てないのは、決して私が野球に興味がなく、サッカーファンだからというわけではないと思います。だって、今優勝争いしてる我がヴィッセルが優勝したって、それで「ヴィッセルは世界一だ!」なんて思いませんし。


 おそらく大谷選手本人も「俺は世界一だ」なんて思ってないんじゃないかなあ、なかなか謙虚で冷静で頭のいい人みたいに思えるし。正当に自分のことを評価してると思います。こういうなんとなくいびつな言い方は、大谷選手本人にも失礼な気がしてしまうんだけど、どうでしょう。

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