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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年 10月
937/1001

「自分はYOU」の補足

 前回、


「関西では『あなた』のことを『自分』と呼ぶことがある」


 という内容で書いたんですが、書いて投稿してすぐに家を出て、出先で読み返していて、


「ちょっと補足がいるな」


 と感じていたら、その思っていたことをコメントでいただいて、やっぱり必要だなと思いました。


 まず第一ですが、


「自分という言い方は自分より目上の人には使わない」

 

 ということです。


 これを伝えておかないと、うっかり、


「関西の人はあなたのことを自分と言うんだった」


 と、会社の上司などに、


「それで自分はどうお考えですか?」


 などと言ってしまったら大問題です!


 あくまで私の印象ですが、


「自分という呼び方は『タメ』の相手に使う」

 

 と思っています。


 この「タメ」を調べてみたら、


「相手と対等、または同等であることをいう俗語」


 と、ありました。そうです、この場合の「自分」も言ってみれば、


「俗語」


 なわけで、正式の場所などでは使いません。


「自分はYOU」


 とつけたのも、そのちょっと軽い感じ、これも勝手なイメージですが、アメリカ人さんが、


「ヘイ、ユー」


 とか、


「ヘイ、メーン」


 とか相手のことを呼ぶシーンが映画とかに出てきますよね、まさにあの「YOU」や「MEN」の感じだと思った方がいいかと思います。ライトな感じ。


 それから第二に、


「関西では」

 

 と書きましたが、関西も結構広いです。大きいところでは「京阪神」と言って、「京都」「大阪」「阪神」の三つが代表的ですが、兵庫県の北の方は私が生まれ育った瀬戸内海に沿った町とは全く言葉が違います。発音もイントネーションも全くです。中部のあたりは分かりませんが、知っている人は「ああ、なるほど」と納得するほど違うんです。


 私が仕事をしていた時にこんなことがありました。


 職場に兵庫県の北の海沿い出身の男の子がいて、その子が、


「自分は標準語だ」


 と言うんですが、兵庫県の北なので標準語ではない。だが関西弁でもない。なので関西弁で「標準語ちゃうやん」と言ったらこう返ってきました。


「あはぁ、わしゃ、あれだわ、おめ、標準語だわ」


 それを聞いた瞬間、周囲の人間が一斉に、本当に声を合わせて、


「どこが!」

 

 と言って大笑いしました。見事に標準語のかけらもないバリバリの現地の言葉だったので、よくそれだけ違う言葉を選べたなと、今でも思い出して感心して笑ってしまいます。


 ちなみに標準語に訳すと、


「馬鹿か、俺は、あれだよ、おまえ、標準語だよ」


 みたいな感じでしょう。

 

 その子が「自分」と言ってたかどうかは記憶にありませんが、後にいなかがそのあたりという人にその言葉を伝えたら、そのままだと言っておおうけしたので、私のこの言い方、結構そのあたりの方言にそっくりだったようです。今もその人と時々その話になって笑います。


 なので関西でも特に、これも私の勝手な印象ですが、


「大阪の人に多い」

 

 という感じです。


 いつからかテレビでも関西弁が周知され、真似する人もいるようですが、テレビで使われている関西弁ってほぼ「大阪弁」だと思っていただくといいかと思います。なので、実は私も私の周囲も、知っててもあまり相手に対して「自分」という言い方は使いません。相手が何人かいる時は「自分ら」と言うことはあります。たとえば集まってて解散近くなった時自分以外の人に「自分らこの後どうするん?」と聞くという感じですか。


 そして自分自身、おっと、この場合は「私自身」ということですが、どう言ってるかなと思い起こすと、誰かと2人で、相手が友人だったりしたらそのまま「この後どうするん」と、呼びかけの名前とかなしで言ってるなと思いました。距離によっては「田中さん」とか「花子さん」とか何か名前をつけて聞くけど、友達にでも「太郎はどうするん」みたいに普段呼んでる呼び方で言いますね。対象の人の二人称なしか、名前だなと思いました。

 

 ということで、


「自分はYOU」


 は、あくまで親しい人、


「タメ以下」


 の人に使ってくださいということで補足終わり? 終わりだと思うけど、もしも何かまた付け加えたくなったり思い出したりしたらくっついてくる可能性はあると思います。

 

 こういう文化的な話って、結構深くなりますね。面白いです。

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