表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年 10月
912/1001

落とし主

 実家の植木に猫が落とし物をすると前に書いたことがあります。それで、落とされないように、色々な手を打ってますが、今ぐらいの時期になるとちょぼちょぼと枯れた葉っぱなんかも出てきて、そうしたらその隙間にやられるんですよね。

 この間はカラカラ天気が続いた時、まさに猫が来ないように花壇の上に防御用に置いてあった、風で飛ばないように薄く土が盛ってあるプランター、それに嫌がって入らないように曲げた針金を刺していたところのちょっとした隙間にやられてました。カラカラに乾いてて、すぐには気がつかなかったんですが、金ばさみで挟んで捨てておきました。それだけでよかった。


 その落とし主らしき猫が、時々実家の玄関に入ったところに座ってたりするんです。「ここは自分の場所」みたいに。それで玄関を開けて入ると、いつも同じコースを少しずつ移動して奥に行き、最後はこの間カラカラの落とし物をしてあったプランターのところから、お隣に逃げていきます。


 最近、ちょこちょことこの落とし主と出会うんです。明らかに前より遭遇回数が増えてる。なんでだ? そして私が近づくと、


「なんだこの不法侵入者は」


 みたいな目でこっちを見る。


 うーん、不法侵入はそっちの方だと思うんだが。そう思いながら近づくと、やっぱりかなり奥に逃げていく。


「こらこら、何しとん」


 と、声をかけながら進むと、追われるように逃げていつものようにお隣に飛び込んだ後、今度はもう少し違う場所から実家の奥の家のベランダに飛び込んだ! いやそっちにも行くんかーい! ちょうどスマホを持ってたので(玉すだれが満開なのでその写真を撮るつもりだった)、そのベランダにいる姿を写真に撮って、かなり近くまで行くことができました。


 どうするかなと近づいたら、よくテレビで見る「シャー」とかじゃなく、なんか、


「ぎゅるる~」


 みたいに威嚇してましたが、きっちりカメラ目線の写真が撮れました。


 通ってると猫の臭い残ってるんですよね、通り道に。だからよそを通ってもらおうとハッカ油をまいたりもしたんですが、すぐに香りがなくなるので、ちょっとしたらまた猫の臭いになってます。


 餌付けしてるのは近所のおばさんだと思います。何匹かの猫がそこで何かもらってるの見たことがあるし。どうせならそこにすればいいのにと愚痴ったら、


「猫は餌をくれてる人の家には落とさないからね」


 と、猫に詳しい友人に教えてもらったので、いっそうちも餌付けしてやろうかとも思ったんですが、下手に責任問題になっても嫌なので、とりあえずは見つけたら「こらこら」と追って、嫌がる臭いをまくしかないでしょうかね。


 ところで、最後にぽしょっと書きますが、この間、妹のところは車を預けてる月極駐車場にどうやら人が落としていった形跡があったらしいです。使った紙もいっぱい一緒にあったとかで、人に間違いながさそうって。これはもうね、なんというか、開いた口がふさがらないと言いますか、言葉をなくしました。まさか猫みたいにそこをそういう場所と認定しないと思いますが、なんとも迷惑な話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ