表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  9月
903/1001

こんな詐欺電話撃退法

 900本ぴったりの回に、


「インターネット・ホットラインセンター?」


 というタイトルで、実家の留守電に入っていた詐欺電話と思しき録音のことを書きました。


 昨日、父のお友達で今では私のお友達でもあるHさんが来られて、いつものようにうだうだと色々な話をしていた時、


「そういえばこんな電話が」


 と、聞かせてあげたところ、


「本物を聞くのは初めてだ」


 と、喜んでくれて、


「そう言うたらこんな話したかな」


 と、Hさんのお知り合いの方にかかってきた詐欺電話の話を聞かせてくれました。


 その方は年配の女性で、もう成人している娘さん2人とご主人の4人家族でしたが、年を取ってご主人が亡くなりました。お葬式は出したんですが、思った以上にお金がかかり、すっかり貯金も吐き出してすっからかんになってたんだそうです。

 そのお葬式が終わって一ヶ月するかしないかの頃、家に一本の電話がかかってきた。


「こちら弁護士ですが、そちらの子供さんが事故を起こしました」


 この電話に女性は真っ青!


 娘さん2人とも運転はするのですが、1人は安全運転だが、もう1人の運転が結構荒い。普段から事故を起こさなければいいがと心配していたところにその電話、きっとあの娘が事故を起こしたに違いない。そう思って信じてしまったんだそうです。


 相手の自称弁護士が続けます。


「ですが、相手の方が今なら示談で済ませてもいいとおっしゃっていて、100万円を払ってくれればいいそうです」


 この段階でおかしいと思わないといけないんですが、何しろ娘が事故を起こしたと信じてパニックになってしまっている、お金を払わないとと思うが、お葬式を出したばっかりでそんな蓄えがない。でも払わないと娘が大変なことになる。


 その女性、考えたか考えてないか分かりませんが、思わず泣きながら自称弁護士にこういう提案をしました。


「実は、主人が亡くなってお葬式を出したらすっかりお金がなくなってしまって、今、我が家にはお金がありません。ですから、娘の代わりに私が死にます!」

 

 これにびっくりした相手の自称弁護士、すぐに電話をガシャ切りしたそうです。


 その後、娘さんたちと連絡を取り、どちらも事故なんかやってなくて詐欺だったんだなと分かったんですが、


「お父さんが亡くなったおかげで詐欺にひっかからずにすんだ、お父さんありがとう!」


 って、ええっ、感謝するところそこ! いや、なんか違う気がする!


 なんにしろ詐欺にひっかからずにすんだのでよかったですが、なんとも思い切ったことを言ったものです。パニックになった人間って恐ろしいものだ、うん。


 ということで、もしもそういう電話がかかってきたら、こういう撃退法はいかがでしょうか? きっと相手もびびると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ