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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  9月
895/1001

不利か特別か

 明日妹一家が実家に来るので、それぞれに、


「これこうしてるから」


 と、渡す物とかについてメッセージで注意をし合いました。そうしてないと「それもあるの知らなかった」ってなことになりますので、あれとこれとこれを持って帰ってと言ったら、妹もこれ持って行くので、と確認するという感じです。まあ、確認してても忘れるんですけどね、Hahahahaha!


 その時に、お仏壇にあげてるお菓子の話が出て、


「仏さんはどうしても和菓子になるから」


 と妹が言ったんですが、やっぱりそうなりますよね。それでいいと思います。


 ただ、うちの場合、それがちょっと苦手な人がいるものでちょっと困る。


 母です。前から偏食が結構あったと言ってますが、おかしもあんこが苦手だったりします。特に好きじゃないのが「もなか」です。


「あの皮がいや」


 そう言ってもなかはどれも嫌がってました。同じようにソフトクリームもコーンがいやで、食べた後でコーンは残してましたし、カップがあったらカップにしてましたね。


 あんこでも有名な「御座候」のあんこは好きだったなあ。「京観世」も好きだった気がする。まあ、あまりどれがどうと基準がよく分かりませんが、とりあえず基本的にあんこは嫌な人でした。


 大抵の和菓子ってあんこなんですよ。だから今回の「つばらつばら」もあれだったら好きだろうとは思ってたんですが、あまりずっとお仏壇に置いておくのもまだまだ暑くて気になる。それに同じ仏さんグループ所属なんですから、やっぱり母が好きな物も置いてあげないとフェアじゃないでしょう。仏さんっぽいお菓子にすると、どうしても母が不利ということになります。

 ということで、今回は母が好きなさつまいもを使った和菓子を置いてあります。今まであんこのをあげてたんだから、父も伯父さんも許してくれるだろうて。


 そんな母が特に大好きだったのが、


「シュークリーム」


 です。おいしいシュークリームが大好き。だけど、シュークリームって生菓子なのでお仏壇に置いておくわけにはいかない。それで昨日、シュークリームじゃないけどぱふっとした生地の中にクリームが入った母が好きそうなお菓子を買って、別に少し置いておいていただきました。いっつもこういう感じです。

 シュークリームはもしかしたら妹が買ってくるかも知れないので、じゃあふわっとしたこれにしようと決めた感じです。


 そういう母なので、どうしてもお盆だとかお彼岸になると和菓子が多くなり、もなかも父は好きだったのでお供えしたりするんですが、妹が、


「まあ、いじけて化けて出てきたりはせんやろけど」


 と言うもので、


「その分母が好きなものを別にしてる、特別扱いしてるので、まさかそんなことはあるまい」


 と、笑っておきました。


 一人だけ特別に好きなものを用意してもらえるんだから、やっぱりどっちかという損より得ですよね、うん。

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