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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  9月
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将軍とちゃぶ台

 日本を舞台にしたドラマ「SHOGUN 将軍」があの有名なエミー賞で18部門で入賞したということで、えらい騒ぎになってます。いや、拍手です。


 どんなお話かなと思ったら、ずっと昔にやっぱりドラマ化された「SHOGUN」と同じ原作の再ドラマ化らしい。おぼろに記憶にはあるんですが、あまりよくは覚えてないんですよね、当時見たはずなんですが。覚えてるのは島田陽子さんが出ていたことと、主人公かな、海外から来た西洋人が武士になってその三浦按針っぽい人がキジか何かを「熟成させる」って干しておいたら、それが臭くてみんなが困るんですが、1人のおじいさんが「自分の責任で片付けた」といって処分して、斬首されたことだけです。主人公がなんでそんなことを「一言言えばよかっただろう」と悲しんで怒ったら、「主人に対して逆らえないからあの年寄は誇りを持って処罰されるのを承知の上で、みんなが迷惑してるから片付けた、そういうものなんだ」みたいに言われてたのは覚えてます。

 あとは島田陽子さん演じるガラシャらしいと今回調べ直して分かったんですが、その人が亡くなって火葬されるシーンだけです。なんか、人が死ぬシーンしか覚えてないっぽい。


 簡単に言うとメインのお話は関ヶ原の頃の日本っぽいお話で、現実の人をそのままではなく、アレンジしてあるという、最近の朝ドラにあるそういう形のお話みたいです。徳川家康をそのままやるんじゃなく、徳川家康っぽい人が主人公という感じ。ちょっと見てみたいなと思っていますが、今はディズニープラスでしか放送してないみたいなんですよね、それだけのためにディズニー入るのもなあ、うーむ。


 と、お話についてはそのぐらいしか分かりませんが、今回は、


「本物にこだわった」


 ということで、チラ見えするシーンでも違和感がないなと思いました。真田広之さんがそこにこだわったということで、どうしても思い出さずにはいられない映画があります。


「ラスト・サムライ」


 トム・クルーズ主演、渡辺謙、福本清三などが出演していたアメリカ映画です。なんで二番目に福本清三だと思われる方も多いかも知れませんが、私がこの映画を見に行った一番の理由は福本さんが出ていたからなので、本当なら一番最初に持ってきたいぐらいのところをこれで我慢しておるのです。


 あの映画は西郷隆盛っぽい人をメインにして描いたお話だったんですが、ところどころ「うーん」と思ってしまうような演出があったんですよね。

 一番「えっ」と思ったのは、トムが預かってもらっていた家で食事をする時に「ちゃぶ台」を使っていたことです。映画が舞台の明治初期はまだちゃぶ台ってそんなに広まってないし、特に武家の家では「銘々盆(めいめいぼん)」とか「箱膳(はこぜん)」のように、各人の前に置いた一人用の台とかお盆の上に置いて食べてたので、ちゃぶ台はないわーと思ったんです。あれが一番異様に見えました。


 それから(れい)の仕方がどう見ても礼というより土下座、しかもずらっと並んでウェーブみたいにみんなで土下座はないわーとも思いました。最後のサムライに敬意を評しては分かるんだが、それはないってーとお尻がこそばくなりました。


 それから明治天皇の「高御座(たかみくら)」ですが、それもなんか変。置いてあるのも和室にぽんと置いてあって、そこからにゅっと出てくる。そんでもってトムが行ってすっと会える。これもないわーと思いました。

  

 他にもちまちまとないことはなかったけど、そのへんは目をつぶれる範囲だったのか、今はもうあまり覚えてません。


 その映画にも出てたんですよね、真田広之さん。その時になんとなく「なんで真田さんこういう演出に黙ってるんやろ」と思った記憶があるんです。他の出演者ではなく真田さんに対して。もしかしたら、何かの発言とかでそう思ったのかも知れませんが、渡辺さんではなく真田さんに対してとにかく思ったんです、なんで言わんのやと。最低でもちゃぶ台はやめてほしかったのにと。


 もしかしたら、あのラスト・サムライの経験で、真田さんも「ちゃぶ台はやめてほしい」みたいな気持ちがあって、今回はとてもこだわったのかなと思ったりもしています。その結果が今度の快挙だとしたら、あのちゃぶ台もそういう意味では役に立ったんだろう、結果オーライと思えたので、まあいいか。

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