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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  9月
881/1001

救急車の料金

 本来なら必要がないことで救急車を呼ぶ人がいることで、本当に必要な人のために間に合わないことがあるという話は、かなり前からちらちらと目に耳にすることがありました。


 テレビで実際にどういう例があるかをやっていましたが、家族が不調になった時に慌ててそこまでではないのに呼んでしまったというのは分からないではない。だが、中には「タクシーで行くと料金がかかるから」とタクシー代わりにしようとする人や、「一人暮らしでさびしくて話を聞いてほしい」としょっちゅう119番をかけてくるおばあさん、なんて方もいるようだ。

 

 それで、


「どうしても必要ではないのに呼んだ人からは料金を徴収しよう」


 そういう話が出ていますが、賛成です。本当に命ギリギリに助けられた経験があるだけに、もしもあの時、さびしいからって理由で救急車が呼ばれていて間に合わなかったらと考えるだけでゾッとします。


 私が初めて家族のために救急車を呼んだのは、母がくも膜下出血で倒れた時です。自分で言うのもなんですが、かなり冷静に必要なことを伝えてすぐに来てもらえて、すぐに病院に運んでもらえました。倒れたのは土曜日の朝の9時50分ぐらいでした。なんでよく覚えているかと言いますと、9時45分に始まったテレビ番組をつけていて、そのすぐ後だったからです。

 そして病院に着いた時、救急の方が「10時0分」みたいに言っていて、おぼろに「10分ほどで着いたのか」と思ったのも覚えています。

 病院に着いた時、母は呼吸も心臓も止まりかけていて、救命措置のために服は真っ二つに切り裂かれ、挿管のために元から弱かった歯も折られてしまっていました。それでも救命されて本当に感謝しています。

 もう少し遅かったら命を落とすか、助かっても呼吸が止まって時間が経った後なら重い後遺症が残っていたかもと言われました。


 そのぐらいギリギリの人がいて、そんな人こそ本当に救急車が必要なのに、タクシーの代わりとか、あまりに自分勝手でこれはもう犯罪レベルにすら思えます。


 私自身も救急車で運ばれたことが数回ありますが、どの時も、


「こういう時は迷わずに呼んでください」


 と言ってもらいました。どの時も、もしも料金がかかると言われても即呼んでたと思います。


 だから料金徴収は賛成です。


 ただ、あまりに高いと今度は苦しくても呼べない人が出てくるかも知れない。だからどういう基準で、どういう値段にするかはきちんと決めておく必要があるでしょうね。いくつかパターンを決めておいて、救急車じゃなくても自力で行けたかなという人は数百円、タクシー代わりにした人は1万円超えとかにしてもいいんじゃないかな。


 海外ってこういうところ結構シビアなイメージがありますが、日本って優しいというか性善説というか、そういう人に親切すぎる気がします。それで本当に必要な人に行き渡らないのなら、それって意味ないから。少なくとも一番最初に母が倒れた時に呼んだ救急車、あの時だったら1万円払えと言われても迷わず呼んでます。


 お金を取ることが目的ではなく、そういう意識をしっかり持ってもらうこと。本当に必要な人が必要な時に利用できるように、そのために料金設定してもいいんじゃないかと思ってます。

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