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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  8月
866/1001

足踏みサンサン

 見事、熱帯低気圧から台風10号となったサンサンですが、予想通り近畿に直撃しそうです。


「大きな被害を出さないでほしいものだが」


 そう思って様子を見守っていますが、もう一つの問題、


「検査のある日に来ないで欲しい」


 そういう目でもサンサンの予定表を気にしながら見ています。


 昨日の夜見た時には、どうやら火曜日の深夜にやってきて、朝にはもう通り過ぎそうな様子でした。


 思えば子供の頃から台風というものは、寝てる間に来て朝には行ってしまっているということが多かったです。朝7時の段階でなんらかの「警報」がでていたら学校は休みなんですが、期待して待っていたら7時には解除になってしまったがっかり、なんてことも多かったです。台風って思い通りに来てはくれない。


 逆パターンですが、一番それのひどかったのが中学2年の時で、決まって金曜日の朝、大雨ざんざか降ってる時に「注意報」で、えっさかえっさか坂道を下って上がって結構遠い中学校まで行った後で警報になり、


「牛乳を飲んだら帰りなさい」


 と、お弁当の時に出る牛乳だけ飲んで帰るということが続きました。学校についたらみんなびしょぬれの靴と靴下をあっちこっちに干してたなあ。神戸の中学は今は知りませんが、上履きがなかったんですよ。ついでに給食もなくてお弁当だったとも付け加えておきます。


 そしてこれが皮肉なところなんですが、帰る頃にはもうすっかり雨が上がり、午後の授業は受けずに帰ることになるもので、警報と注意報って一体どうなってるんだと思ったものです。


 話はサンサンに戻ります。そうやって昨夜寝る時には、


「水曜日にはもう行ってしまうから、普通に病院に行けそうだな」


 そう思ってから寝たんですが、4時頃に目が覚めて、スマホのアプリでどうなってるか見てみたら、


「あ!?」


 思わず変な声が出てしまいましたさ!


 サンサンの進路予想、四国のちょっと下、少し前に話題になった南海トラフのあたりで日時が、


「28日水曜日3時(深夜)」


 となっていて、北陸の方に北の日本海に抜けたあたりで、


「29日木曜日3時(深夜)」


 になってるんです。


「え、1日間違えてない? 昨夜見た時には28日にはもう通り過ぎることになってたんだが……」


 そこで進路図から推測してみました。


「ここで水曜日3時、あっちが木曜日3時ということは、この真ん中あたりが水曜日の15時ぐらい。大体12時間の距離をこうしてああして見てみたら……」


 なんということでしょうか、


「病院行くぐらいの時にど真ん中やないけー!」


 思わずあまりお品のない言葉で叫んでしまうぐらい、ドンピシャの位置にいるとしか思えない。


 おかしい。なんでこんなことになったんだ。サンサン、どこに寄り道してるんだ。もしくはどこで足踏みしとるんだ。なんでさっさと来ないんだ。何しとるんだ。


 頭の中ぐるぐるでもう一度寝て、今、これを書くのに確認したら、今度は同じぐらいの場所で、


「9時(朝)」


 となってました。さらに6時間ぐらい遅くなってる。


 もしかしたら暗い中でスマホの「3」と「9」を見間違えたのか? いやいや、何回も確認したはず。ってことは、サンサン、南の海でなんだか足踏みしてるようです。

 うーん、熱い海に長くいると、その分力を蓄えて強く大きくなりそうなので、とっとと動いてもうとっとと火曜日には行ってしまってもらいたいのに、のんびり屋さんなのかなあ。


 そう言いながら、今もサンサンの様子を見守っております。あまり足踏みせずにかわいいうちに行ってしまっておくれ。

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