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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  8月
847/1001

お盆の謎

挿絵(By みてみん)


 来週からお盆ですね。11日の「山の日」が日曜日で12日の月曜日が振替休日、続けて13日からお盆なのでその前の土曜日10日から9連休なんて方もあるようです。


 うちは毎年13日から16日が休みと長年決まっているので、やはり10日から16日までの連休という珍しいことになりそうです。もっとも、13日は「迎え火」、15日は「送り火」を焚きに実家に行くので、その日は休みという感じではないですが。妹は仕事の関係で14日にしか来られないと言ってたので、お盆の間に毎日誰ぞが実家にいるので、両親と伯父さんもさびしくないでしょう。


「さて、いつお墓掃除に行くか」


 いつもは曜日にもよりますが、お盆前日の12日の早朝5時台とかにお墓掃除に行くんですが、今回はせっかく11日と12日が連休になるので、時間帯は少し暑くなりますが13日の朝から活動開始するか。俺、今回のお盆で部屋片付けるんだ……連休が取れるのはその時だけなので、そうしようと思います。


 それでですね、子どもの頃からお盆というと不思議なことが一つあるんです。


「お盆っていつからいつまで?」


 調べると大体が、


「8月13日から16日まで」


 と出てくるんですが、私が物心つく頃からずっと、神戸の「精霊流し」は15日なんですよね。周辺もみんなそうです。大阪もそうなんですが、京都の「五山の送り火」は16日。


「なんで京都だけ16日?」


 と、テレビで見ながら思ってたんですが、どうも16日にやるところの方が主流っぽい気がします。


 ということは、


「仏さんどないなっとん!」


 と心配になってきます。関西の仏様だけ1日早く帰るんでしょうか?


「ああ、シャバも暑くてたまらんわ、こっちちょっと早く帰ってのんびりしよ」


 とか、あっちでお休みをもらってるんでしょうか?


 他にも、


「東京は7月がお盆」


 というのも聞いたことがあります。東京だけじゃなく、あっちこっちが「新盆」ということで7月にお盆をやって、私がよく知ってる8月は「旧盆」という言い方が正確らしい。これは明治時代に太陰暦から太陽暦になったからで、今のカレンダーは「新暦」なので、だったらお盆も7月にやる方が今じゃないかと思うんですが、やっぱり8月にやる方が主流な気がする。


「じゃあ東京の7月のお盆って何やってるの?」


 もしかしたら行事だけ7月にやって8月は純粋に夏の休暇扱い? お盆休みはどこも大体8月にとってますよね? テレビなんかでも「来週からいよいよお盆休みです」とか言ってるし、7月にそんなこと言ってるのは聞いたことない。というか、学校なんかまだ夏休みに入ってないし。


 それでもうちょっと詳しく調べようと思ったら、これがもう、


「きりがない!」


 と思うぐらい、色々あるようです。


 元々は「盂蘭盆会」の略が「盆」ですが、「旧暦の7月15日にやってたよ」と戦国時代のイエズス会の報告書にはもう出てきたりするので、多分このあたりにやってたらしい記録があるんですが、明治時代に「新暦でやらせようか」と思ったところ、「そんな時期田んぼで忙しくてやってられっか!」ということで元々の7月、今の8月にやる風習が残ったとか、「七夕とセットでやってたよ」とか、私が一番気になってる「送り火」についても「16日が多いけど15日にやるところもあるよ」とか、もっと大胆なところでは「8月に入ったらもうお盆だよ」なんてのも出てきて、


「何だなんだかさっぱりだよ!」


 という結論になりました。


 うちのお寺さんは檀家が多く、「番僧」の方が毎年うちの地域は「8月2日」と決めてお参りに来てくれてるんですが、だからそれでいくとこれもあながち間違ってはいない。何しろ「8月はもうお盆だよ」と言われたりもするんですから。


 ってことで、うちも今まで通り13日に迎え火を焚いて15日に送り火を焚きます。お膳は2日の日にしたから、13日と15日は両親や伯父さんが好きそうだったものを作ることにします。絶対その方がお膳より喜ぶと思う、うん。

8月2日に作ったお膳です。

毎回同じようなメニューですが、これもお約束の定番ということでいいでしょう。


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