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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  8月
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女子枠

 大学の受験の時、


「理系女子を増やすために理系学部に女子枠を作ろう」


 そんな動きがあるらしいです。


「女子が増えてくれたらもっと女子が来てくれるかも」


 そんな目的でそういう枠を作ったらしい。


 うーん、どうなんだろう、これって。「女子だから理系に進みにくい」とかそういう理由で行けない人って、そんなにたくさんいるんだろうか? 昔ならあったかも知れないけど、今の時代に全くないとは言わないが、そこまで多くはないような気がします。


 以前、医学部で、


「女性は出産や育児で休業する可能性があるから女子の合格基準を厳しくしよう」


 そんなことがあって問題になってました。これはやっぱり大問題だと思います。平等に試験を受けさせず、将来あるかないか分からないことを理由にして、あえて不合格にするようなことは。

 女性だからって必ず結婚して出産するとは限らないし、男性が病気もせずずっときびきび働けるという保障もない。健康上でなくてもどんな理由で仕事を休んだり辞めたりするか、そんなことは誰にも分からないです。


 だけど、文系理系に関わらず、やっぱり得意不得意ってあるんですから、わざわざ枠を作ってでないと合格できない人って、やっぱりそっち系の学力が低いってことになるんじゃないの? だったらその人と同じだけの能力があるけど不合格になる男子学生に対する差別になる気がするけどなあ。


「女子枠だからといって共通テストの結果も見てますし、厳正に審査しているので問題ないです」


 みたいなことをおっしゃってましたが、全く同じ成績の男子で落とされた人がいたら、どう考えたってその人に対する扱いが平等とは言い難く思います。


「女子枠でも落ちる人はいます」


 って、そりゃ試験の点数が足りなかったら当然です。


 シビアなようですが、普段いくらテストの点数が良くても、受験は推薦試験とかでなければその時勝負みたいな部分があります。いつもは全部100点取ってる人でも、その試験の時にたまたまできない問題ばかりが重なって50点だったら不合格、それが試験ってもんでしょう。試験とは違いますが、今やってるオリンピックで、まさにそういうことで金メダル候補の人が早くに脱落したりしています。

 それなのに「女子枠」という名の下駄を履かせてもらって、さらにそれでも点数が足りない人を「女子だから合格にしちゃおっか」ってなるのなら、もう受験なんて意味なかろう。

 女子だからという理由で理不尽に不合格にするのは不平等で改善する必要がありますが、女子だからと無意味に実力のない人に下駄を履かせて合格させる、それはもう、「逆差別」と言ってもいい気がする。


 最近「ジェンダーだジェンダーだ」と色んなことを言うようになってますが、間違えた方向に平等にするってのはちと違うように私には思えます。


「うちの理系学部、今まで少なかった女子トイレを増やしたし、おしゃれカフェみたいな女子が喜ぶような設備整えましたよー、もっとどんどん来てくださーい!」


 と宣伝して、理系女子が行きたいと思う気持ちにさせる方が建設的な気がします。


 大学だって経営ですからね、そういうのも必要です。特にこれから子どもがどんどん減って、大学に限らず色んな学校がつぶれるかもと言われている時代ですから、そういう「営業努力」は必要だと思います。


 それに「女子枠」って言い方、私はなんだか逆にバカにされているような、そんな印象を受ける気がするんですが、どうでしょう?


「あんたは女子で力が足りないからひいきしてやるよ」


 どうもそういう響きを持っているようで、どう考えてもいい制度には思えないけどなあ。

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