表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  7月
829/1001

雨雲レーダー

 暑いです! とにかく暑いです! 口を開いたら暑いしか出てきません!


「出勤控えさせてくれ!」


 Sちゃんが「熱中症アラート」を出してそう叫んでいますが、本当に気持ちがよく分かります。というか私も家から出たくない! ああ、日曜日に一日家に引きこもれたのは本当に幸せでした、ありがとう……


 空を見上げたら真っ青で真夏の空。全く雨の気配もない。


「せめて夕立でも降ってくれればいいのに」


 そう思うけど、そんな望みは儚いものだと空に笑われているかのよう。


 少し前、まだ梅雨の時期にいいお天気で、


「植木の水やりどうしようかな」


 と、いつものように「一番当たる」という謳い文句の天気予報アプリで見てみると、


「雨は全然降らないから」


 とずっと晴れマーク。


「しょうがない、水やりするか」


 と植木に水をやった途端、思いっきり雨が降るなんてことが何回かありました。


 それを愚痴ったらH氏が、


「雨雲レーダー見ろ」


 と言うので見てみたら、5分間隔で雨雲の移動する様子が見られる。


「なるほど」


 と、それからはそういう時に雨雲レーダーを見るようになったんですが、先週も、


「すごく風が吹くようになってきた、もしかして夕立が来るのかな」


 と、雨雲レーダーを見たら、


「ほほう、10分後に結構濃い雨雲がこのあたりに来るようじゃ」


 と分かりました。


 風はどんどん吹き始めて、


「これは一気にどっと雨が降るかも知れない、今のうちに車を上げてこよう」


 と、車庫へ向かいました。


 以前、車を出しに行った途端にものすごいどしゃぶりになり、もう車を出しかけていたので仕方なく車庫を閉めてたら、その間だけでずぶぬれになってしまったことがあります。本当にジャストタイミングで頭の上からバケツで水をかけられたような状態でした。


「そんなことになってはかなわん」


 いつもより少し早いけど、もう車を出してこよう。そうして家の前に待機。


「さあ、降るならいつでも降れ!」


 ほくそ笑みながら空を見上げたら、どんどんと黒い雲が、


「あれ、薄くなってきた?」


 急いで雨雲レーダーを見たら、なんということでしょう、さっきまで濃かった雲の色が薄くなって雲の気配もない。


「雨雲どこ行った……」


 その後、全く降りませんでした。


「たった10分前までこのへん雨降るって言うてたやないけー!」


 天気予報も見た時にそれまでの晴れから雨に変わってたのに!


 相手は自然のことで、天気予報アプリのせいではないとよく分かってはいるんです、ええ。


 それでも、


「なんかムカつくー! もう信じられんー!」


 と思う気持ちは止められません。


 今も天気予報はずっとお天気マークで、15時頃にはさらに暑くなると予想して真っ赤になってます。熱中症注意のマークも出てる。予報によると今日の深夜1時頃に雨が降るかもとなってますが、雨雲レーダーを見ても雲のかけらもないのでそれすら信じられません。


 今日はもう、来てすぐに植木の水やりをしました。昨日の夕方にやったんですが、すでにからからだったので。


 ああ、雨の恵みが懐かしいなあ。ちょっと降って気温を下げてくれればいいのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ