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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  7月
817/1001

やれることをやれる間に

 色々と考えることがあり、そういうことを妹と話していて、


「今の間にやりたいことやって、行きたいところに行っておかないとなあ」


 という話になりました。


 もっとも妹は、


「私は特にしたいこともないから、日々淡々とやな」


 と、なんだか達観したことを言ってましたが、私はやりたいことも行きたいところもたくさんあるのです。


 それで、ふと、浮かぶのは、


「船旅したいなあ」


 でした。


 ずっと行きたいなと思ってるんですよ、クルーズ旅行。


「でも酔うかもよ」


 いきなり妹にずばっと現実を突きつけられました。


 私は小さい頃、車に乗ると短時間でもすぐに酔ってリバースするような子だったんです。なぜか自分で運転するようになってからは、ほとんどそんなことはありませんが。そういや遠足でも大丈夫だったな。ってことは、半分は気持ちの問題だったのかも。

 その後も旅行に行ったりしてもどこでも酔ったことはなかったです。一応酔い止めは持ってましたが。子どもの頃のはなんだったんだろう、本当に。


「体が動くうちにやっぱりクルーズ旅行はしてみたいなあ」


 今のところ行く予定を立てるほど、色々な意味でゆとりはないですが、一応調べてみました。ご近所から行くならどこかなと考えて、今一番行きたいのは台湾だ。


「神戸からでも10万以下であるやん」


 神戸から飛行機で沖縄まで行き、沖縄から船でめぐって台湾まで行って戻って来る。帰りはまた飛行機で神戸まで。8日間の旅で一番安いコースは10万以下でありました。


 ですが、さらにもうちょっと調べてみたら、


「台湾だけやったら3万ぐらいであるやん!」


 びっくりした、国内旅行より安いんじゃないか? そりゃ台湾行く人多いわ。


 あくまで今は行く予定を立てるゆとりはないですが、そういうのを調べてるだけでなんとなく楽しい。


「よし、体が動くうちに台湾に行こう。それから他のところでもいいから船旅も」


 と、心のどこかにメモしておきましたが、現実は甘くない!


「そんなお金あったらあそこ修理して、そうそう洗濯機も弱ってきてるからその予算も置いておかないと。それから炊飯器が炊けても音が聞こえないし、それからこれとあれと」


 ああ、現実はかくも厳しい。


 でもお金はなんとかなるかも知れないけど、健康が一番問題です。これから若くなることはないんだから、まずはそれから考えていかないと、結局何も叶わなくなるよと、これからの人生で一番若い今の私が言ってます。


 今、すごくやりたいことがあって、それに時間を取られてるから、それが落ち着いたらお金をなんとかする方法を考えていこうか。


「それより入院しないようにね」


 どこかからまた誰かにそう言われたけど、それが一番の心配かも知れない。 

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