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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  6月
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洗濯どころではなかった

 今朝、


「入れ替え用の物を洗濯しよう」


 そんなことを思ってウインドブレーカーや家で着てた上着とか、そんなものをいくつか洗濯しました。


 量的にはそこそこになりましたが、数も少なかったので干すのもそんなに時間がかからずに済みました。


「ついでに洗濯できるまでトイレと洗面所もちょっとだけ掃除すっか~」


 掃除といってもそんなに大したことはしません。トイレの床は昨日モップかけたから本体だけ。実家のはそんなことにならないんですが、マンションは密閉度が高いからか、ちょっとうっかりすると黒い線みたいのが浮かんできます。朝家を出る時はなんともなかったのに、帰ったら線が、てなこともある。今回もそういう感じで今朝見たら黒い線が出てきてました。


 これはタンクの中にも原因があるっていうけど、タンクの中ってなかなか掃除するってことにはならないです。変にいじって壊れても大変だなと思ってしまうので。


 掃除といってもなんとも手抜き。洗剤かけておくだけです。しばらくして消えたら水をかけて終わり。私は先が細いじょうろみたいので中にずっと水をかけます。タンクを流しただけでは全部の洗剤を流しきれないから、そうしておきます。


 洗面所も同じような感じ。古い歯ブラシでこすって、古い靴下で拭く。それだけでもずいぶんと違うのですっきり。


「ふう、そろそろ洗濯ができるから干したら、ああっ!」


 ここで思い出しました。


「採血に行かないと!」


 これまで病院の日は朝早くに病院に行き、採血してもらって結果が出たらそれを見て診察してもらって帰ってたんですが、時間がとにかくかかるんです。この4月から担当の先生が変わって、その時に新しい先生が「採血は別の日にしますか」と聞いてくれたので、それじゃあ一度そうしてみようかなと思ったんです。

 てっきり診察までの何日以内かの好きな日に行けばいいのかと思ってたら、採血も予約だそうだ。面倒だなと思ったんですが、まあ一度やってみましょうか。


 その採血の日が今日でした。採血自体は覚えてたんですが、忘れてたことを思い出したんです。


「駐車場がいっぱいになるー!」


 そうなんです。ここの病院、ちょっと普通と違う病院で、京都の「一見さんお断りどす」みたいな感じでほぼ紹介と予約だけの病院なんです。私も色々あってここに通いだして、普通の病院に変わるかという話もないことなかったんですが、色々考えて今もそこに通っています。


 それで、いつもは8時過ぎにはもう行ってるから、その時間に行かない時、ついつい駐車場がいっぱいになることを忘れるんです。


「洗濯干したり掃除してる場合じゃなかった!」


 覚えてる時はいっぱいになる前に、早めに行こうと思ってたのに、そんなことで忘れてしまってたので、結局病院に着いたのはいつもだったらいっぱいになる時間帯。病院の外、道路にまでずらっと車が並ぶんですよ。一番最初にここに来た時、初めてなので予約時間のかなり前に来てたのに、駐車場に入るだけで30分以上かかり、携帯で「こんな状態で送れます」と病院に電話したっけなあ。

 もちろん予約時間より思いっきり遅れて、採血にもまたずらっと並んでてどえらいこと遅れてしまったのでした。


 それで覚悟して行ったんですが、


「あれ、病院の外まで並んでない」


 それを驚くぐらい、いつもだったら10時頃には行列です。


 受付を終えて検査室に行ってもガラガラ。いつもだったら座れない人があっちこっち立ってるのに。

 

 採血にもすぐ呼ばれました。


「今日はずいぶん空いてますね」


 と言ったら看護師さんも、


「本当に今日はどうしたんでしょうね」


 というぐらいの空き具合。


 さっと採血して会計だけ少し時間がかかりましたが、無事に採血完了。


「でも来週もう一回ここに来るのか」


 今度から採血と診察はまた一緒の日にしてもらおう。分けてしてもらうメリットがほとんどないということに気づいてしまった。


 しかし空いててよかったなあ。本当にラッキーでした。

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