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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  6月
764/1001

孫の手ありがたや

「背中かゆっ!」


 いきなり背中がかゆくなりました。


 場所は右肩の肩甲骨辺り。届きそうでぎりぎり届いてるかどうか。かけてるような気もするし、ポイントからちょっとだけずれてる気もする。


「孫の手!」


 実家の押し入れから孫の手を出してきて背中かきかき、


「はあ~落ち着いた~」


 見事かゆい場所をかけてすっとしました。


 この孫の手、大学生の時に私が旅行先の小豆島で買ってきたおみやげです。装飾とかはないんですが、ただ一言「小豆島」と書いてあるだけの孫の手。なんでそんなものをおみやげの一つに選んだのかもう覚えてませんが、おそらく家になかったからでしょうね。


 私は結構体が柔らかい方で、背中で合掌して上下に動かすとかも平気でできてました。だから背中をかく時にもほとんど孫の手なんか必要なかった。だから親に買って帰ったんじゃないかな。特に旅行先で買う物とも思えませんが、まあ買って帰ったのは確かなことです。もちろん買って帰ったからには自分も使ってましたが。


 そんな感じで背中のかゆいところを前はどこでも自在にかけてたんですが、数年前、まず左肩を痛めて治るまで結構長いことかかりました。今も前よりは可動域がやや狭くなってるかな。ほとんど何も感じないぐらいに治ってますが。

 その後、今度は右肩が古傷から今もあまり調子良くありません。悪いのは肩なんですが、右の二の腕が痛くなる感じ。


 どちらもいわゆる「四十肩」「五十肩」とはちょっと違って、それぞれ違う病名がついてます。

 まず左肩は「インピンジメント症候群」という症状で「腱板断裂などのはっきりとした損傷を伴わずに肩の痛みを起こす疾患の一つ」だそうです。

 最終的に泣くほど痛い治療をして良くなりましたが、リハビリにもかなり長く通いました。


 そして右肩が、上に出てくる「腱板部分断裂」です。これは大学の時に痛めたもので、本人的には「右肩の筋が伸びた感じ」と思ってたらどうやらそれっぽいのです。左肩を痛めて右肩に負担がかかったからでしょうか、右が左と同じような症状になって、かなり良くはなってますが、なんというか微妙に痛かったり痛くなくなったり。腱板に負担がかかるので、使うと痛いという感じです。

 それで時々外科でブロック注射をしてもらったりもしますが、今はかなり状態がいいのでほとんど行ってません。行くのがめんどくさい気持ちの方が先に立つぐらい、良くなってるってことですね。手術しない限り完治はありませんが、ごまかしごまかしいけてます。


 なので、少しだけ可動域が狭くなった分だけ孫の手、重宝しました。


 誰が考えたのか分かりませんが、すごい発明品だと思います、孫の手!

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