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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  6月
744/1001

有名な拷問

 久しぶりに「マインクラフト」で遊んでいて、


「平和な世界」


 がのんびり遊べていい、と書きました。


 その私の遊び方が、


「なんだかちょっと変」


 みたいに笑われました。


 どうやって遊んでいるかと言うと、とにかく石を掘る。そして「石炭」とか「鉄鉱石」とか「銅鉱石」とか「ラピスラズリ」なんかをゲットする。


 ここまでは「普通」らしいんですが、その後のことが変と笑われたんです。


 どうしてるかと言いますと、採掘の時に出たいらない石、その中に普通の石とは色が違う石があるんですが、それを磨いておいて、


「埋める」


 これが変だと笑われた。


「その石を使って何か作ればいいのに」


 と言われたんですが、すごくたくさんあるんですよ、この色付きの石が。その中で白い石は好きで、それを磨いて家を作ったりしてるんですが、赤やら黒っぽいのは捨てるかためておくしかできない。


「そうか、掘った後を磨いた石で埋めておけば、ここは一度掘ったところって分かるし、荷物も減って捨てる罪悪感もなくていいじゃないか」


 そう思いついたので、「磨く」という作業をして、人手が入ったと分かるような形にして、もうこれ以上何も出ない、普通の石しかないと分かるところまで掘り尽くしたら、埋めて戻っていくんです。


 この作業が楽しいんですよね。


「やり切った!」


 みたいに思えて。


 そう言ったら、


「それ、有名な拷問やん」


 と笑われて、思わず自分でも大笑いしてしまった。確かにあるわ~そういう拷問!


 意味なく穴を掘らせて、次はそこをもう一度埋めさせる。そういう意味のない作業を延々やらせる拷問、確かに有名な拷問の一つです。


 いや、指摘されるまで思いもしなかったけど、確かにそうだなと今も思い出しては笑っています。


 別に意味なくやってるわけじゃないんですが、色違いの石があると鉱石がある確率が高く、それを掘り尽くすと普通の「丸石」ばかりになるんです。そこまで掘り切って、もう一度そこに行かなくて済むようにというつもりで始めたんですが、気がつけば埋めるのが楽しみになっていたというだけです。

 もしかしたら、そういう拷問にかけられた時、他の人は苦痛だけど、私だけは毎日満足そうにやりきって、やはりそこでも変だと思われるとしたら、ちょっとだけ生き残る確率が高くなる気がしないでもない。


「整地サーバーというのがあって、そこではひたすら整地する人が集まってるらしい」


 と聞いて、もしかしたらそこに行ったら私のやってることを、


「分かる! 自分もそれやってる!」


 という人がいらっしゃるかも知れないんですが、今のところはいないようで、


「掘って埋めるだけの変態」


 扱いされています。


 変態じゃないもの!

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