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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2022年 10月
73/1001

ヴェネツィア金髪

 今回もまた髪の話になります。一つ考えると次々と


「そういや同じようなことでこんなのが」


 と、続いて出てきてしまう僕の悪いクセ……


 さて、前回の「月代(さかやき)」のところで、


「前の髪のない部分は剃るだけじゃなく抜いてもいるらしい」


 と書いたんです、


「なんか女性でもそういうのあったな」


 と考えていて、ふと、思い出しました。


 中世、ルネサンスの時代のヨーロッパ、女性がおでこを丸く広く見せるためにやっぱり前髪を抜いていたらしいのです。

 その当時は丸く広いおでこが美しいとされていたようで、そう見せるために前髪だけではなく眉毛も抜いていたとか。言われてみたら、当時の絵の女性って丸い広いおでこをしているような気がします。でもあれって、民族的なおでこの形だとばっかり思っていたので、何かでそれを読んで「ひえ~っ」と思った記憶があります。

 今でも美容のための脱毛って盛んですが、ちょっと抜く部位が違いますよね。

 それにしても、美にかける女性の執念はいつの時代にもやはり同じとも思いました。


 そして丸くて広いおでこと同時に、薄い髪の色が流行りだったらしく、


「ヴェネツィア金髪」

 

 というのもあったと、多分同じ本で読んだように記憶しています。


 ヨーロッパでも北の人は金とか銀とか薄い髪の色の人が多いですが、南に行くとスペインとか黒髪の印象がありますよね、カルメンとか。そういう濃い髪の色の人が薄い髪の色にしたくてある方法を使っていました。


 それは、


「日焼け」


 です。


 南の日差しの中、多分顔は隠して髪だけ広げて日に当てて日焼けさせて、色を抜けさせるんです。 

 これも根性がいっただろうなあと思います。

 脱色剤とかなかったのかな?

 

 今だったら髪が痛むから髪にまで日焼け止めスプレーを使うぐらいなのに、後でバリバリにならなかったのかと心配になりますが、まあ流行で、みんながやりたかったんですから仕方がありません。


 確か鼻は日焼けしたくなくて三角の何かを乗っけてたというのも記憶にあります。あちらの方は日本人とは違って鼻が高いですから、最初のうちは鼻だけ赤く日焼けして困った、ってな人も出てたのかも知れません。

 一体何日、何時間ぐらい焼いたら好みの色になったんでしょうね。


 おそらく、そういうことしてられるのは高貴なご婦人だと思うので、優雅にテラスか何かに寝そべるかなんかして、侍女とかが冷たい飲み物持ってきてくれて、


「美のためには努力しなくては」


 なんて、お隣の貴婦人とお話ししながらのんびり日焼けしてたんでしょう。

 優雅と言えば言えるかも?

 

 ファッションが文化を作るのか、文化がファッションを作るのか分かりませんが、当時の上流階級のよくある光景だったのかも知れませんね。

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