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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  5月
723/1001

0円で!

 空き家問題というものがあるそうです。


 どういうことかと言いますと、文字通り空き家が増えて困るということ。


 それまで老夫婦で住んでいて、その夫婦が亡くなった後、子供達は他に家があるし残った実家をどうしよう。だけど整理も大変だし処分するにもお金がかかる。かといって更地にしたら固定資産税が高くなる。相続するにもその手間と差し引きしたらマイナスになるんじゃないか。


「ほっとくか」


 となった結果、誰も住んでない家が増えているということです。


 正直、身にしみる問題です。


 今、うちの実家は私が仕事で使っているので、固定資産税や諸経費を払って私が使っています。だけど住んでいる人はいない。私が実家の仕事をやめたらここに来る理由はお仏壇の世話ぐらい。というか、そうなったらお仏壇はマンションの方に引き取ることになるかな。

 人が出入りしなくなると家ってすぐにだめになっていきます。ほぼ毎日来てここで仕事しながらご飯作って食べて、そういうことしてるだけで家は一応生きてる。


 だけど正直、実家の仕事ももうそろそろ畳もうかという時期に来ている。そうなった時、本格的に片付けていかないといけないんだろうけど、そのことを考えるだけで頭が痛い。


 いとこが長年住んでいた実家を片付けた時、ちょっとだけ関わったんですが、結局最後は業者さんに頼みました。伯母宅はうちから車で15分ぐらいのところにあり、伯父が亡くなってから長年放置だったんですが、思い切ったようです。

 うちはそんな感じでまだ使ってるし、徒歩でも来られる距離。でもいとこのところは他の市だし、来るのもお墓参りの時ぐらいなので、長年お邪魔していた懐かしい伯母宅がなくなるのはさびしかったけど、そういう結論になっても仕方ない。

 

 そういう方は多いようで、それでこんなサービスがあるようです。


「処分できない家がある人の家を0円で家をほしい人に斡旋する」


「無料で家を一軒もらえるのか!」


 と思うかも知れませんが、もう古い家でつぶすのにも何百万とかかる物件です。都会の誰もが欲しがる家ならともかく、行くにも時間がかる、維持費も手間もかかる。

 そんなとっても持っていられない家を、無料で引き取ってもらえるならこちらも助かる。そんな家を承知の上で欲しいという方とマッチングして、話が合えば現状維持で引き取ってくださいとなるようです。


 まだ多少は土地勘のある兵庫県で調べてみたら、あるある、いっぱいある。家だけじゃなく土地(山や耕作地が多い)もある。相続したけど遠くて行けない、維持費だけかかる、誰か引き取ってーという声が聞こえてくる気がする。まあ山の中だったり、不便な土地だったり。そこを別荘にするのじゃなく、普通に住む家にしてというんですから、ここに定住する覚悟のある人しか「ください」とは言えないでしょう。


 一国一城の主になりたいけど家を買うお金はないとか、自分で畑をやって自給自足やってみたい、そういう方、いかがでしょう?


 この4月からそういう持ち主のいない物件の相続をきちんとしなさい、しないとお仕置きだよという法律が成立しました。まだすぐにどうこうということはないでしょうが、これからはもっとこういう物件が増えるかも知れません。

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