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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  4月
704/1001

散華

挿絵(By みてみん)


 お寺の「大般若法要」に参加した時に、


散華(さんげ)


 を拾いました。


 パッと見たら変わった形のメンコみたいな感じで、両面に仏教っぽい絵が書いてある紙です。


 一体何かというと、調べたところこんな説明がありました。


「法要を執り行う際、仏さまをお迎えするお堂を清め、供養をするためにまかれる華」


 そういうグッズですね。


 今回も法要が始まる時に、ご住職とお供のお坊さんが鐘を叩いてお教を唱えながらぐるっと歩いて回りながら、これをまいてくれて、私の足元にも落ちてきたので拾っていただいてきました。


 前にも一度拾ったことがあるんですが、それがやっぱり同じイベントだったかな。お彼岸とかにはやってない気がするので、そうだった気がする。その時に拾ったのは実家のお仏壇に入れてあります。


 今回のはどうしようかなと思ったんですが、どうしたらいいのか調べたら、


「お守りとして持ったりお仏壇に飾ったりするといい」


 とあったので、1枚はお数珠の袋に入れてお守りに、もう1枚はうちにはお仏壇がなくて私がちょっとお水を上げたりする棚を作ってるので、そこにお寺でいただいたお教の本と一緒に置いておくことにしました。


 散華はもともとは本当の花をまいていたらしいのですが、それがいつからか蓮をかたどった色紙を代用するようになったらしいです。ってことは、あの形は蓮の花びらだったわけだ。


 私がいただいたのは踊っている人や蓮の花をバックにした五重の塔か何か、それから雅楽の演奏をする舞台の背景に飾ってある火焔太鼓みたいなのがついてます。仏教っぽいと思ったけど、もらってうれしくなるような楽しい絵ってことなのかな?


 こういう仏教イベントは、


「ある種のエンターテインメントなのでは」


 とのコメントをいただき、なるほどと納得してたので、これもそのサービスみたいなものかも知れない。生の花はもらっても朽ちていくけど、こういうのだといつまでも形で残りますもんね。


 今は物があふれてる時代だけど、昔の庶民がお寺さんに行って、その時にまいてもらったら宝物になったかも知れないな。ありがたいと毎日手を合わせたり、子供のお守りにしたり、色々使って生活に溶け込んでいたのかもと思います。


 私もお寺さんでこれをまいてるのを見た一番最初には「なんだこれは」と思ったんですが、その後「散華というものだ」と知りました。今の時代には知らない方も多いかも知れませんね。


 ちなみにすごく俗っぽいおまけのような話ですが、散華、ネット通販でも売っています。絵柄やお値段は色々ですが100枚千数百円ぐらいでした。1枚10円から20円ぐらいですか。やっぱり子供のメンコレベルだ。

 でもこういうことでまいていただき、それを拾うことでお値段以上の価値になっていると思います。お気に入りアーティストのライブで飛んできた銀テープみたいなもんだな。中には子供用のかわいらしい絵や、有名マンガ家さんが描いたものもあるみたい。そういうのはファンの人が拾うとさらに価値が倍の倍の倍にどんとあがりそう。


 何にしてもありがたいありがたい。

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