表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2024年  9月
7/1001

大きな方をあげる

 先日、知人と話していて、なぜだったか、


「パンが一つあって分ける時、相手に大きい方をあげる」


 という話になりました。


 私がそう言うと、その知人が自分もそうだと言いながら、


「でも、相手が彼女の時、女の子に大きい方をあげたら失礼かな、と思ってしまう」


 と言うもので、


「その場合は相手がまた食べきれないって分けてくれたりしないか?」


 と言って冷やかしたりしてました。


 かわいいですよね、この知人。


 それでさらに話をしていたら、その知人が、ふと、思い出したようにこんな話をしてきました。


 週に何回か彼女さんが家に来て半同棲状態らしいのですが、彼女さんが来ている時にはコーヒーを2つ買って帰るんだそうです。


「だけど、彼女がいつも半分残すので、コーヒー好きな自分が残してるのを飲んでしまって……」


 えっと、のろけですか? と思ったんですが、


「彼女さん、コーヒー好きなのでわざと残してくれてるんじゃないの?」


 と、また冷やかしたら、


「それが、いつも『まだ飲むつもりで残してるのにどうして人のを飲むの?』と怒られる」


 んだそうです。


 この知人にしたら、買って帰ったのは自分だし、いらなくて残してるのなら、と思ってつい飲んでしまうのだそうですが、まあ一度あげたものですから、黙って飲まず、


「今度から3本買って帰りなさい、そうしたら自分も1本以上飲めるから。もしくは缶コーヒー箱買いしといて、彼女さんの残りには手を付けないように」


 と、アドバイスしておきました。


 いやあ、どっちなんでしょうね? 本当に深刻にケンカになりそうなのか、それともなにげにのろけられたのか?


 なんとなく、そうやってじゃれて楽しんでるような気がします。

 多分パンの半分こと同じ、残ったのをそうしてやり取りして仲良くやってるんだろう、と思ってます、うん。お幸せに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ