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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  9月
440/1001

セキュリティ、とは

 ネットの話題で、


「仕事の時に離席する時は必ずパソコンをロックする」


 というのが上がっていました。


 その方は以前、合わなかった部下が自分が離席中に自分のパソコンから女性になりすましでセクハラまがいのメールを送られたという経験があるそうです。それでそれ以来ロックするようになったとか。


 どの程度の離席時間からロックするのかは分かりませんが、ある程度離席するなら必要なんじゃないかと思います。本当は仕事場ではそういう必要がなくなるのが一番でしょうが、何かがあった時に自分に責任がかかるようなことはある程度自衛しないと。

 あの「VIVANT」の発端も、そうやって仕掛けられた罠からご送金があったことでした。まあ、あれはドラマですし、気をつけた上で凄腕ハッカーに仕掛けられた罠にはまったんですから、それはロックぐらいでどうにもならないでしょうが。

 

 街中の飲食店でノートパソコンを開き、そのまま行ってしまう方があってびっくりしたことがあります。隣の席だったんですが、ノート開きっぱなしでドリンクバーだったかサラダバーだったかを取りに行ったようで、そこそこの時間戻ってきませんでした。あれ、私が悪意の持ち主だったら何かされてても不思議じゃないです。どれだけ人間を信じているんだ、と思わずにはおられません。


 そしてセキュリティとは真反対の経験をした話を一つ。


 ある時期、ある金融関係の職場でアルバイトをしていたんですが、隣が郵便局でした。なので昼休みにお金を入れたり出したりしに行くことがありました。そんな時、同じ職場の方に「ついでにこの手紙出してきてくれない」とか「入金してほしい」とか言われて引き受けることがありました。あ、私がパシリだったんじゃなく、割とそういうことをする環境だったということです。おばさんと言われる年代の女性が多く、その方たちは結構そういうことを普通にやってました。


 ある日、食堂でお昼ご飯を食べ終わり、郵便局に行ってくると一緒に食べてた人たちに言って席を立つと、私たちの横で食べていた、私は直接知らないけど、私の同じ係の方のお友達のおばさんが、これお願いと言って通帳を渡してきたんです。


「暗証番号書いてあるからこれだけお金下ろしてきて」


 って、おいおいおいおい!


「通帳に暗証番号って、この人何しとんねん!」


  心の中ではそう思ったんですが、直接の知り合いでもないですし、少し遠慮しながら、そういうのは責任持てないからを遠回しに言って断ろうとしたんですが、


「大丈夫、鉛筆で書いてるからすぐ消せるし、みんなやってるから」


 って、とうとう押し付けられてしまいました。


 それで仕方なくATMに行ったんですが、本当に通帳の表紙を開いたところに鉛筆で暗証番号が書いてあり、その番号を押したらお金が下ろせました。

 そして、みんなやってるの言葉が本当らしく、何度も鉛筆で消したあとが残ってるんですが、これ、その気になったら番号分かるぞ……


 下ろしたお金と通帳を持って食堂に戻り、渡したら普通にありがとうとお礼を言ってくれたんですが、いや、信じられない出来事でした。


 多分、ああいう方にはセキュリティとはなんぞや、と話してもなかなか分かってもらえないんだろうなあ。


 なんにしても、今の時代、セキュリティはきちんとしましょうね、という話でした。

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