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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  9月
435/1001

タマスダレチェック

「タマスダレ」

 

 という花をご存知でしょうか?


 おそらく、どなたも一度ぐらい見たことがあると思うんです。今の時期にどこかの庭の片隅に、家と道路の敷地の境目ぐらいに、緑の細長い茎の上に白い花がひょこっと咲いているのを。うちの実家にもあるんですが、今の時期、とてもたくさん花を咲かせています。


 花が咲いていない時には、緑の葉っぱがひょこひょこと生えているだけなんですが、白い花が並んでいるときれいです。


 で、ですね、私はこの花が咲くと、


「タマスダレチェック」


 をしています。


 何をしているかと言いますと、受粉させて種を取っているんです。指で花をしゅしゅしゅっと揺すってやると、黄色い花粉が白い雌しべに付きまして、そうすると花がしぼんだ後で黒い種が上にできます。それを集めて、またまいてやると増えるんですね。


 この花がかわいらしいというのも理由の一つなんですが、もう一つが、情緒のないことで申し訳ないですが、


「猫よけ」


 です。


 小さい鉢や、プランターに増やして、猫が来そうな場所に置いて落とし物をされないように邪魔をしてるんです。以前は「シチフクジン」というバラみたいな形をした多肉植物を置いてたんですが、タマスダレもきれいだなと思い、今は両者に猫よけになってもらっています。


 木の根本に直植えにしてるところ、プランターを置いてあるところ、種から出た細い茎の鉢を置いてあるところもあります。結構元気で育てやすいので、そうやって葉っぱをもしゃもしゃして猫と戦ってもらっています。


 シチフクジンもそうやって結構増やし過ぎたんですが、今はタマスダレもかなりの勢力になってきたので、ほどほどにしないとと思っています。でも、面白くてついね。前はほったらかしてたら、種がつかなかったのの上は花が落ちてそのままだったのが、丸く種がつくのが面白いんですよ。


 寝込んでる間にちょうど最盛期で、フラフラで実家に行って、


「ああっ、タマスダレがあ!」


 と、しんどいのにチェックして順させてた愚か者は私です!


 受粉させると割りとすぐに花がしぼんでしまうのがもったいないので、そろそろやめようかな。

 そう思いながら、今日も水やりをした後でしゅしゅしゅっと、揺すって次世代のために貢献してました。

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