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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年 12月
42/1001

心肺停止

 大阪で大変な事件が起こり、たくさんの犠牲者が出てしまいました。

 一体どうしてこんなことが起こってしまったのか。もしも理由が分かり、謎が解明されたとしても、失われた命は戻ってはきません。とても悲しい、残念な出来事です。


 ニュースで「大阪で火事がありました」と流れた後、


「27名が心肺停止」


 と出て、一瞬、何のこと? みたいに理解できなかった気がします。


 あまりに数が多すぎる。思わず京都で起こったあの事件が浮かびます。


 それと同時に、ふと、思い出したことがあります。


 私がテレビのニュースで初めて、


「心肺停止」


 という言葉を意識したのは、マイケル・ジャクソンが亡くなった時でした。


「マイケル・ジャクソンさんが心肺停止の状態です」


 そう聞いて、


「え、心肺停止って? 意識不明じゃなく?」


 少し混乱しました。

 だって、心肺停止って、長く続いた時は、それはもうほとんど命がない状態に近い印象だからです。


 それまでもその言葉自体は聞いたことありますが、大抵の場合は溺れた人が短い時間そうなって、蘇生したら戻ってきたとか、そういう時に使う言葉のように思っていました。


 それが、有名人が家で倒れているのが発見されて、救急車で運ばれて、それなりに時間が経っているだろうに、その時もまだ心肺停止って、それは戻ってこれる状態なの? そう思った記憶があります。


 上にも書きましたが、それまで、


「意識不明の重体です」


 というニュースは聞いていた気がしますが、心肺停止って、そこからさらに進んだ状態です。正直、この言葉を使われたら、そこからどのぐらいの人が戻ってこれるんでしょう?


 今は何か事件があるとすぐこの言葉で表現されますが、マイケル以前に聞いていた記憶はないように思います。私が知らないだけかも知れませんが。


 今回も残念なことに27名中24名が亡くなられたそうです。

 3名の方は心肺機能戻られたということで、イコール最悪の状態ではないのでしょうが、そういう重い言葉を事件や事故があるとすぐ使うというのは、なんとなく違和感を感じます。


 医師が死亡を判断するまでは、呼吸がなくとも心臓が動いていなくても死の診断ができないから、と聞いたことがあるのですが、ということは、現場でその判断がついた時というのは、少し想像をしたくないような状態の時だけ、ということになるんでしょうか?


 マイケルが亡くなったのは2009年です。つまり、私が初めて聞いたと思う時から12年も経っているんですね。


 ニュースで使う言葉って、時々「え?」と思う変わり方をするのですが、今回またあらためて「どうして? いつから?」と思いました。

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