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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  9月
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それほど好き

 今日もいちじくを食べてました。もうすぐシーズンが終わると思うとさびしいです。


 それほど好きないちじくなんですが、他にも大好きなものがいくつもあり、その時に私が言う言葉があります。


「死んだらお供えしてほしいぐらい好き」


 いや、好きな物ってそのぐらい好きでしょ!


 そう言うと笑われるんですが、生きてる間だけじゃなく、あちらに行った後も食べたいほど好きなんだからしょうがありません。


 で、その好きな物なんですが、私は結構不利だなと思うことがあります。なぜなら、自分しか作ることができない物があるからです。

 たとえば、自分で作る唐揚げとか餃子とか、お好み焼きとかそば焼きとか、他にもいくつかそういうメニューがあり、そういうのは私がいなくなった後、誰かが作ってくれることが不可能なわけです。


「まるで腕のいい歯科医になったような気分」

 

 と、これも時々言います。いくら腕がいい歯医者さんでも、自分で自分の歯の治療はできないでしょう、そんな気分です。あ、腕のいい脳外科医とか心臓外科医なんてのもありますね。


 じゃあせめて、自分で作る必要がない好物ぐらいは供えてほしい、その候補の一つがいちじくです。 


 他にはくず餅、関東風じゃなくて関西の、水まんじゅうと区別がよくつかないくず餅とか、御座候、そうそう、先日の「元町ケーキのざくろ」なんてのもいいですね。「モロゾフのプリン」に、私がお気に入りのケーキ屋さんのケーキ、お気に入りのパン屋さんのパン、他には何があるかなあ。


「そんなこと言わずに死なないようにしなさい」


 って言われますが、今はまだ早いとしてもいつかはその日が来るわけですから、その時のためにリストと、私が作ってる料理のレシピでも残しておきましょうか。


「たくさん作って冷凍しておこうかな」


 とも言いましたが、それも限界がありますし、本当は誰かに作り方を受け継いでもらえばいいんですが、跡継ぎはいない。


 しょうがない、こうなったらできるだけ長生きして、


「もうこれで結構」


 と思えるぐらい食べてからあちらに行こうと思います。

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