表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  9月
410/1001

あくちが切れる

 前回、いちじくのことを調べた時に、注意事項のところで、


「白い汁がつくとヒリヒリしたりかゆくなったりします」


 のような一文がありました。

 

 確かにそんなことを聞いたことがあります。私のいちじく人生の中では、そんなことあったかなあ、という感じですが、母に、


「いちじくを食べ過ぎるとあくちが切れる」


 と、言われていました。


「あくちが切れる」

 

 って、


「口が切れる」


 とどう違うの? なんで「あ」がついてるの?


 長年、そう思ったまま忘れてましたが、ふと思い立って調べて、すごいびっくりする事実を知ることとなりました。


 私は単に「口が切れる」のことだと思っていて、それは合ってるけど合ってないということが分かりました。


「あくちが切れる」


 とは、


「口角炎」


 という、立派な病名? のことだったのです。


 症状で言うと、口を開けた時に「パカッ」と、口の端が切れることがありますよね、それを「口角炎」と呼ぶのだそうです。

 知らなかった、単に口が切れたというだけだと思ってた。


 その「口角炎」のことを、


「関西の方言であくちが切れると言う」


 と、きちんと書いてありました。びっくりした! れっきとした方言だったとは!


 あの白い汁の正体は、前回も書いたんですが「フィシン」という「タンパク質分解酵素」で、いちじくはその「フィシン」で菌や微生物、虫から身を守っているのだそうです。その汁が口の端についたら、タンパク質が分解されて切れるようになる、という判断でいいのかな? まあ、そういうことらしい。


 タンパク質分解酵素なんですが、昔はチーズ作りに使われていて、牛乳に入れたらみるみる固まるのだとか。へえ。


 他に神話にも出てきていて、軍神アレスがケガをした時、傷口にいちじくの白い汁を塗ってみるみる治った、などとも書かれていたらしい。


 そうそう、あのアダムとイブが恥ずかしくなって局部を隠したのもいちじくの葉っぱです。禁断の木の実はりんごということになっていますが、昔から「りんごの葉っぱでは小さくて隠せないのでは?」と、いちじくこそがそうだという説もあります。

 この事は前から何かで読んで知っていたのですが、前回書いた「不老長寿の果物」と呼ばれるというのも、そのあたりから出てるのかも知れませんね。


 そして今回、「あくちが切れる」を知ることもできたので、本当にいちじくってすばらしい果物だと思います。


 みんな、いちじく食べようぜ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ