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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年 12月
40/1001

鷹?

 以前「ハトがいない理由?」という文章の中で、


「カラスが多いからハトが少ないんだろうか?」


 と、書いたことがあります。


 そのカラスが、少し前にものすごくたくさん、群れをなすようにいたんです。

 大げさじゃなく、100羽ぐらいいました、いや、本当に。

 

 それが水辺で文字通り「カラスの行水」をしては、電線にとまってブルブル体を乾かしたり、カアカア鳴きあったりして、一大カラスのテリトリーになってしまったようでした。


 私は動物の中では鳥が好きで、カラスも別に嫌いではないんですが、何しろカラスは賢い、それがあれだけの数集まっていると、やはり少し怖いなあと感じました。もしも、何かで恨みを買って敵認定されたら、ヒッチコックの「鳥」みたくなりそうで。


 それが、数日その状態が続いた後、まだそこそこ数はいますが、かなり減って、ムクドリの集団なんかも帰ってきました。


 そして昨日、車で出かけようとした時、


「あれ、何? 鷹?」


 ふと、そんな鳥がいるのに気がつきました。


 最初はカラスかなと思ったんですが、色と大きさがカラスとは違う。一回り大きくて、茶色っぽい。


 その「鷹っぽい鳥」がカラスを追っかけてたんです。


 水辺の上をくるくると何回も旋回して、一羽のカラスをもう少し大きい鳥が追いかけて、ぐるぐるとあっちこっちを行ったり来たり。


 私は家から出るつもりで車に乗ってたんですが、他の人たちも立ち止まって見ていました。

 

 しばらく見ていたら、その「鷹っぽい鳥」はカラスを追いかけるのをやめ、電柱か何か、柱のような物の上に止まってじっとしました。

 

 それでまた、ふと、


「鷹匠に頼んだ?」

 

 と、思いました。


 住宅地にムクドリの群れが住み着いてフン害や鳴き声が迷惑だったりした時、鷹匠に鷹を放ってもらって追い払う、なんてことをしてますよね、それでうちのご近所もカラスがあまりに増えたから、そうして追い払ったのかな? と、思ったんです。


 ですが、見たところ鷹匠っぽい人もいませんでしたし、柱の上で普通に休んでいたので、もしかしたら自然の鷹クラスの鳥だったのかも知れません。鷹匠の鷹だったら主人のところに戻って休む気がしますし、市からも自治会からも、鷹匠に頼んだというお知らせもなかったですから。


 今日もカラスはいましたが、前みたいに群れではいないので、鷹匠の鷹であっても、自然の鷹であっても、どっちにしてもあれが怖くて来なくなったのかな? と思っています。


 しかし、スズメ、ハト、ムクドリ、カラスときて次は鷹のテリトリーになってたりしないですよね? かっこいいけど、やっぱりちょっとだけ怖いですから、遠くからちょっと来るだけ、にしてほしいと思います。

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