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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年 11月
37/1001

猫踏んじゃった

 実家に花壇のような場所があります。


 元々がそんなに庭、というような広い場所ではないのですが、私がレンガを積んで作った煙突のような花壇っぽい場所と、もうちょっと本格的に花壇っぽい場所の2ヶ所、土をそこそこ使える場所があります。

 それ以外は植木鉢やプランターです。

 私が実家を出た今は、世話をする人が他にいないので、あまり手をかけてはいられないのですが、実家に行った時に水やりして、たまに少し手を入れるので、なんとなく何かが生えてはいます。

 木もありますしね。


 夏になると、一番広い花壇というか畑というかの場所は一面のミョウガエリアになります。

 ミョウガの実ですか? あれもいっぱいできるんですが、ほんの少し、そうめんの時に薬味にするぐらいで、今はほとんど生えっぱなしです。そのうち白い花が生えて、それを見て楽しむことの方が多いぐらい。


 夏のうちはそういう感じでいいんですが、全部枯れて、抜いた葉っぱを積んでいたり、土の面積が広くなると、どこかの猫が来てトイレにするんです。これが困ります。

 実家に行った時に「今年もやられた!」とフン害、いや憤慨するんですが、一度やられてしまうともう手をつける気もなくなってしまいます。臭いし。


 今年は早めにミョウガの茎を全部抜き、上に空のプランターや鉢を並べ終わったので私の勝ちです! 初めて勝った気がしますが、思わぬところにやられたりするので、まだまだ気は抜けません。


 それでも勝ちを意識しながら「猫踏んじゃった」を口ずさんだりしてたんですが、


「悪い猫め爪を取れ」


 と、歌いながら、ふと、気になりました。


「猫って踏まれた方じゃないの? それで爪を取れってひどくない? 本当はどんな歌詞だった?」


 いや、全然覚えてませんでした。

 それで調べてみたら、なるほど、こんな感じです。


 元々、踏まれた猫がびっくりしてひっかいて、踏んだ人が思わず、


「わるい ねこめ つめを きれ」


 と言ってしまって、その後で慌てて「ごめんごめん」「かつおぶしあげるから」とかなだめるんですが、猫は驚いて「くものうえ」まで飛んでいって戻ってこない。

 

 まずは「爪を取れ」じゃなく「切れ」でした。覚え間違いにしても猫ごめんね、な感じです。


 そして踏まれた猫が「お空に飛んで戻ってこない」「明日の朝降りておいで」って、なんだろう、なんか一気に物悲しくなりました。そういう意味じゃないですよね?




 踏まれた猫、びっくりして一時的に飛んでいっただけだと思いたい。

 虹の橋を渡ったと言っていないので、明日の朝には戻ってきますよね、きっと。

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