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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年 10月
35/1001

消えた人

 ニュースで芸能人のいきなりの訃報などを目にして、驚くことがあります。

 その方が高齢で長らく活動をなさっていなかったりした時でも、再放送でお見かけしたりしていたら、やはりかなり驚いたりします。

 そうしてお知らせがあって初めて、その方の身の上に起きたことを知る、そういうことは結構あります。


 ネットを始めた頃、自分のことをできるだけ知られないようにと、できるだけ情報を出さずにしようと思っていました。ですが、交流のある人が増えるに連れ、出会ったきっかけなどは違えど、今までの友人知人のように普通にリアルでもおつきあいするようになっていき、自分がどこの誰かすっかり知られている人が山ほどできました。


 ネットと今までが違うのは、それまでの友人知人はどこの誰か分かってますが、ハンドルネームやキャラの名前などでお付き合いが始まった人は、家族には見えないということでした。


 そしてある日、ふと、こんな不安にかられました。


「もしも私が今突然死んだとしたら、ネットの友人に知らせる方法がない」


 うちの両親はネットなんてできませんし、そうなったら私は「いきなり消えた人」になってしまう。そう考えて、ネットでできた友人の一人に了解をもらい、その人の携帯の番号を母親に預けました。


「私に何かあったらこの子に連絡してほしい」


 それでちょっとホッとしました。


 今はリアル友人も絡んで、なんだか縦横に人間関係も絡み合ったので、私にもしも何かあったとしても、どこかから自然に知ってもらえるだろう状態になってます。


 ですが、執筆活動を始めて生まれた「小椋夏己」という物書きの端くれ、この人に何かあったら、その時はまたその時のように、ネットを始めた時のように、知ってもらう方法がないんだなあ、とちょっと不安になりました。


 そこで一つだけ宣言しておこうと思います。


「今毎日連載している小説『黒のシャンタル』が更新されなくなったら、その時は私に何かあったと思ってください」


 もしも更新できない事態ができたとしても、自分の意思で必ず何かの形でどこかに書きます。


 実は、今までに二度ほど入院したことがあるのですが、毎日書いているブログは病院からも更新していました。友人たちに呆れられたと思いますが、入院もいいネタの一つになり、痛かったりつらかったりもしたんですが、書くことが励みにもなっていました。


 そちらのお友達にはなんとか連絡がつきますが、私の作品を読んで下さっている方にもう一度……


「書かないと死ぬ病です、もしも黙って書かなくなったら、そういうことかもと思ってください」

 

 ええ、たとえ読んでくださる方がなかったとしても、書き続けますのでよろしくお願いいたします。

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